第36話 マーシャルコード所属Vtuberティティル




日は流れ、夕暮れ時の待機画面では今までのマーシャルコードファンとエルフ系Vオタクが集まっていた




『マーシャルコードにもエルフ系きたか』

『やっぱファンタジーでいえばエルフだよ』

『エルフ最高!!』

『まあ某男の娘イケボみたいにエルフ要素が無くならないかどうか』

『ぐっ!』

『やめろ!』

『それ以上はいけない!』

『あいつエルフ要素ないけどそれだけで嫌いにならないんだよ』

『魔王のディシア、酒豪のガガル、次に来るのは一体』





今までのように新たなVtuberにワクワクしている様子の視聴者たち


3人目とあってか今まで以上に視聴者数は多い、マーシャルコードの知名度が広まったおかげなのか、エルフV効果なのか、はたまたそれ以外の何かか


毎回金曜の夕暮れから始まるし、ディシアとガガルがSNSで宣伝してくれたおかげもあるかもしれない



でもって



同時接続者数 23098



「今までの2人以上だなこりゃ」


「臣下や見習い騎士も来てるにしても多いよこれ」


「あ~~、胃がキリキリしてきた」


2万を超える同接にビビり不安になる俺と正弥


対象に鏡花さんやディシアたちはティティルと和気あいあいと話していた




「緊張してない?大丈夫?具合は悪くない?」


「大丈夫だよ鏡花、これでも王様やってきたんだから」


「うむ、その粋じゃ」


「健闘を祈るぞ、ティティル殿」


「うん、頑張る!」



時間が経ち、俺とティティルは準備を済ませる


3回目も成功してくれるのか、後は視聴者とティティル次第











♦♦♦♦



『はじまた!』

『きたーーー!!』

『ワクワク』

『ついに!』

『やっぱ初配信のドキドキ感がいいよな~~』

『↑わかる』

『どんな感じかわからないからね~』

『今回も龍錬サポートありか』

『マーシャルコードはこれからも初配信は龍錬サポートありって公式が言ってたぞ』

『↑あざっす』



シルエットしか映らない画面が薄く切り替わっていき、


鏡花作のティティルのモデルが露になる



髪は金髪で耳は少し尖っており、頭に花の茎と花びらでできた髪飾り、衣服は白い布を纏って所々に花の飾りが散りばめられている


露出は肩ぐらいで、実際のティティルをトレースした姿






『王道系エルフきたーーーーー!!!!』

『いい!すごくいい!』

『今までいろんなエルフ系Vいたけど、王道系って逆に珍しいよね』

『いやまだ待て、まだ中の人次第だ』

『というか所々前二人と似てるところが』

『3人とも同じママが書いてるらしいぞ』

『まじかよ』



アバターに視聴者が一喜一憂しているとアバターが動き出す



「えっと、こんにちは………」




『ん?』

『あれ?』

『声小さい?』

『音量下げてたかな』

『初配信あるある』

『頑張れ!』



「あっ、すみません、えっと、こんにちは~~~!!」



『可愛い』

『よきかな』

『元気っ子か~~いいね!』

『よくできました!』

『皆娘を見る親みたいな感じにw』

『初配信は温かく優しく見るもんやから』




最初は少し音量調整をミスったが、その後の元気な挨拶で視聴者が孫を見る祖父みたいな感じになった、これは言い掴みだと思うが




「皆さん初めまして、まーしゃるこーど所属のティティルって言います、皆さんよろしくお願いいたします」



『上手に言えてえらい』

『かわええな~~』

『王道の可愛いはオタクにはクリティカルヒットなんだよ!』

『あれ、お小遣いを渡せない!!』

『↑初配信でスパチャできないだろw』

『気持ちはわかる』




「あっ、皆さんありがとうございます!初配信だからどう思われるか心配だったけど、視聴者さんが優しくてよかった♪」





え、俺は教えてないのにめっちゃ虜にすること言うじゃん、俺も普通にかわいいって思ったよ、視聴者もめっちゃ盛り上がってるし





『よかったね~~』

『これが、父性?』

『母性かも?』

『スパチャさせろぉぉぉ!!』



「えっと、今回の配信では、ファンネームを決めるのと、どういった配信をしていくのかを発表するからね」


「まずはファンネームだけど、何かいいのあるかな?」



『パパ』

『妖精』

『エルフ系だし精霊?』

『パパはさすがにまずいw』

『というか龍錬どこ行った?』

『そういえば』



「うん、じゃあ妖精さんにしようかな」


「え?あっ龍錬さんいるよ、ごめんなさい、紹介するの忘れてた」



今回の配信は基本ティティルが何かやらかした時ようだから自分からでないようにしてたけど




「よ、ようお前ら、マーシャルコード社長、黒森龍錬だ………………………これ俺のサポートいらなくない?」




『龍錬いたんか』

『まあわかるけど自分でいうんかw』

『いやお前がちゃんとティティルちゃんを見てないとダメだろ、俺たちは見るしかできないんだし』

『まあそのまま言っても問題なかった感じだし』



見た感じ特に問題っていう問題はないし、大丈夫そうだな


「ということで俺は何かあった際にしか出てこないから、後はティティルを楽しんでくれ、ティティルも頑張ってくれ」



「うん、わかった!」




俺は音声だけミュートにし、見守りを再開する




「えっと、改めてファンネームはさっき決めた『妖精』さんで決定です」



「次に配信内容なんですが、ゲーム配信をメインにやっていきます」



『まあそうだろうな~』

『どんなゲームをやるかどうか』



「そしてなんですが、今からすこし準備する必要があるので、その間龍錬さんお願いします!」



「うむ、承った」





『ティティルちゃんが消えた!』

『ティティルちゃんを出せ!w』

『龍錬さん久々』

『もう初配信にしか出てこないから逆にレアだわ』

『何の準備?』

『ゲーム起動でもするのか?』




「あ~、そんなに時間はかからないから安心してくれ」


「それでお前ら、ティティルを見た感想どうだ?」



『めっちゃ可愛い』

『マーシャルコードよくやったよ』

『ある意味龍錬ナイス!』

『よくあんないい子入ってくれたな』

『圧倒的感謝』




「結構好評なようでよかった、ティティルも最初は緊張してたからお前らが好印象でいてくれてたから安心してたぞ、ありがとうな」


『へっ、いいってものよ』

『まさか社長から感謝されるとはw』

『それのしても準備の内容が気になる』

『わくわく』

『そろそろか?』



「そうだな、おっ、もうOKらしいから交代するぞ」



『バイバイ』

『今度龍錬も配信しろよw』

『わくわく』



龍錬のアイコンが消え、画面が切り替わる




『お?』

『まじか』

『マーシャルコード、買えたのか』

『え?なになに?』

『というかいきなり!?』



画面はとあるゲームの世界にポツンとティティルが立っていた


そして立っていたティティルは3Dのモデルであった




「はい、お待たせしました、今私はつい最近リリースされた【REALITY WORLD ONLINE】略して【RWO】にログインしています!」


「このゲームは自分のアバターを事前に作成したアバターをダウンロードして選択できるんです!」


「龍錬さん曰く、このために急いで3Dアバターを作らせたらしいです」





『初配信で3Dお披露目!?』

『RWOを初配信のVTuberにやらせるとは、まじかマーシャルコード』

『思い切った選択をするな~』

『3Dでもめちゃ可愛い』

『ようやったな3D担当w』




反応は上々、サプライズとしては成功のようだ





「私は基本このRWOをプレイしていきます」


「初めてのことなので慣れませんが、優しく見てくれたら嬉しいです!」


「後、ゲーム内容に関して、私のステータスとかは次の配信で説明しますので」



「えっと、これから皆さんよろしくお願いします!」




『応援する!』

『頑張れティティルちゃん!』

『早くスパチャしたいんだが』

『あ~~~いい!』




なんとは初配信は無事に終わった、思った以上に最高な状態で



♦♦♦♦





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