第21話 ガガル視点
俺の名はガガル、聖騎士長をやっていた
どうやら俺は別の世界に飛ばされたようだ、正直最初は訳が分からなかった
この世界についていろいろ聞いたが、技術関連が元居た世界に比べれば相当高いことはわかる、光源がランプなどの火を使わずに壁にあるボタンを押せば光るというのは驚いた
よくよく調べてみると、この世界でも騎士は存在したらしいが、化学が発展した今の時代ではほぼいないようだ
それに今いる日本には昔はさむらいなる者はいたが、俺の考える騎士は別の国らしい
元の世界でも時間が経てば科学が進み、この世界のようになるかもしれない
その他にもこの世界に驚かされることがいっぱいだ
食事、住居、教育
この生活に欠かせないものの基準が高いと俺は思った
食事に関しては最高だ、飯がうまい酒がうまい、行っちゃあなんだがこれでいろんな不安が吹き飛んだ
俺は元の世界でもそこまで食事の違いが判るほうではなかったが、この世界の飯が元居た世界の飯よりうまいのは理解できる
何より酒のつまみが豪華なのがいい!!
というより酒がうまい!!
エール、この世界ではビールだったか、あれは最高だ
なんて言えばいいかわからないほど最高だ
龍錬殿たちはあまり飲まないらしいが、あんなにおいしそうにビールを飲んであまり飲まないは嘘だろう
そして聞けばいろんな種類の酒がこの世界にあるらしい
龍錬殿に支給されたすまーとふぉんにて調べた際にいろんな種類の酒の名前が出てきた
ワインは元の世界にもあったが、すとぜろ?しょうちゅう?にほんしゅ?うぉっか?れもんさわー?
く~~~~、気になって仕方がない!
ということを龍錬殿たちに聞いたら、今度酒屋に連れて行ってくれるらしい
これは楽しみだが、そこで酒を購入するためには稼がないといけないな、頑張っていこう
そういえば龍錬殿から心配そうに話しをしてきたことがあった
元の世界に帰れない状況で精神的に問題はないかと
正直、部下たちの心配がないわけではあるが、まあ俺がいなくてもやっていけるだろうと信じてはいる
問題は聖騎士長の座だが、聖騎士長が戦死して、先代の聖騎士長が生きてたらその人に聖騎士長になってもらうんだが
あのおば様に勝てるやつがいるか心配だ、あいつらしごかれるんだろうな~~
そういえば軍にかんしてだが、この世界の軍について龍錬殿に聞いてみた
どうやら今の時代剣や盾ではなく、銃や戦車と言った武器が主流らしい
兵士ではない龍錬殿は詳しくはないと言っていたが、正弥殿が代わりに説明してくれた
「まずこの世界はこの国以外だと軍はありますね、基本は銃をもってたり、この戦車っていう砲撃を行う車、後は軍艦、戦闘機などに乗って戦う部隊もありますね」
「戦車と軍艦は馬車や船を知っているからイメージはできるが、この戦闘機とはなんだ?」
「戦闘機は空を飛ぶ兵器ですね」
「空を!?スキルがないのにできるのか!?」
「まあそれが科学ってことですね」
その他いろんなことを調べてもらいながら教えてもらった
一番驚いたのはこの国には名目上の軍ではなく、自衛のための自衛隊というものがあるということ
どうやらこの国は平和主義なのか、俺の知らない考えがあるのかわからない
さらに聞けばその軍、いや自衛隊は災害などの救助などの活動をしているようだ
すまーとふぉんで動画をみせてもらったが、その救助活動には感服した
まさか遠い別の国にも救助活動を行うとは驚いた
今日の話はここまでで終わったが、まだまだ知りたいことはいっぱいだ
さて、最後に気になるのはディシア殿
彼女は俺とも違う別の世界から俺と同じようにここに飛ばされたらしい
正直言おう、彼女は確実に俺より強い
魔法といったスキルに近い技術を持っているらしいがそんなことは些細な事
俺がこの世界に来て空腹で気絶するまでの意識がある間、ディシア殿の殺意や警戒の力のようなものを感じだ
おばさまどころじゃない
のちに話す機会があったが、どうやら彼女は魔族という人とは異なる種族のようで、歳も1000を超えるらしい、そしてディシア殿はその魔族の王、魔王だったらしい
正直納得した
龍錬殿たちと仲良くしている姿とは裏腹に、圧倒的なカリスマと自信に満ちた言動、元の世界で仕えた王を思い出す
彼女の配信のあーかいぶを見させてもらったが、王の演説に近しい何かを感じた
このレベルのものを自分ができるのだろうかと不安になった
と不安なことを考えたが、話してみるとめっちゃ話の通じる人だった
食と酒の話はどこの世界でも共通なんだと感じたな
この世界の料理を説明してくれる様は見た目相応の仕草だったのはすこし笑った
ある日、とある目的のために俺とディシア殿、龍錬殿と正弥殿と鏡花殿と3人で人気のない山の奥に3人で向かった
どうやら龍錬殿のおじい様の山らしく、何かあるときはここに来るようだ
そしてここに来た目的は
「ディシア殿、手合わせを受けてくれて感謝する」
「よい、こっちも久々に暴れたいと思って居ったからの」
そう、手合わせである
数日前に好奇心を抑えられずに頼んでみたらOKをもらえた
自分とディシア殿は今木のない広場の真ん中にいる
他三人は少し離れた箇所にある山から望遠鏡で見ている
「スキルは準備の段階で使って構わんぞ」
「………承知した」
元の世界の決闘ではスキルの使用は開始の合図のあとから、しかしディシア殿を相手にそんな余裕はない、お言葉に甘えて先に発動させておく
「………【パワーオブガイア】【ウォールレギンスアーマー】【クイックオブハート】【エンジェルズヒール】【サイレントアイ】【ダメージスライド】」
攻撃力上昇
防御力上昇
俊敏性上昇
常時少量回復
危機察知能力上昇
5分間ダメージ無効
「ほう………かかか」
「………準備できました」
「よかろう、なら始めるとしよう!」
ディシア殿が近くに落ちてる石を拾い、少し高く投げる
地面に落ちてから開始だ
落ちた
「っ!」
速攻、すぐさまディシア殿に向かって駆けだす
「ナイト10、アーチャー5、ゴーレム3」
ディシア殿は何かを唱えると影か騎士が10人、弓兵が5人、そしてその後ろに180cmを超える自分より少し大きめの岩の人型が現れ、自分に向かって構える
「っ!」
騎士は縦と槍を構えて陣形を作りながら進み、その後ろの隙間から弓兵が弓を構え、陣形の横に人型が並走している
弓兵を先に潰したいが、騎士の盾がそれを邪魔し、人型は遊撃
人型を先に対処するか無理にでも騎士の盾を突破するか
いや、殿をした後だったのですべての敵を倒さないといけないって施行になってしまってた
狙うのは兵を操りしディシア殿のみ、兵に体力を消耗させるのが目的なのかもしれない
「ならば押し進む!!」
足を止めずに加速し、陣形を無理やりぶち抜く
「どけぇい!」
騎士の陣形に接触するタイミングで体験を横に振るい、騎士たちを払いのける
少し重かったが目の前にいる陣形に穴をあけ、その隙間を抜けてディシア殿に向かって駆け抜ける
弓兵の矢が放たれたが、【サイレントアイ】のおかげで矢にあたることはなかったため、難なく抜いていく
「ほう、わらわ以外に無駄な体力を使う気はないのか、かか……面白い」
「はぁぁ!!」
自分が走り向かっていくのにかかわらず、ディシア殿は余裕そうに全く動こうとしなかった
「マジシャン5、オーガ5」
そして影からはおとぎ話で見た魔法通いと元の世界に似たようなのがいたオーガ
「っな!?」
「ぐがぁぁ!!」
オーガのスピードは少し素早く、5匹とも自分のもとへ到着し、その剛力の体を使って攻撃してくる
一人のオーガが腕をふるい落としたのを回避、そこから5匹からの攻撃
しかし避けられないわけではない
「っ、【ラビットジャンプ】!」
別のオーガの攻撃を高所までジャンプすることで回避する
下を向いてるから隙だらけだ
「【セイクリッドスラッシュ】!!」
俺のよく使用する複数の斬撃を飛ばすスキル
斬撃はすべてのオーガの首をはねる、オーガは影に飲み込まれていく
「ふうっ………………なっ!」
オーガを倒し、地面に降りる間に少し落ち着いたが、自身も隙だらけだった
「「「「「【ファイヤーボール】」」」」」
魔法使いたちは落ちてる途中の俺に炎の弾のようなものを放ってきた
「まずいっ、【セイクリッドスラッシュ】!!」
炎の弾に向かって斬撃を放つ、相手が正確に俺に向かって魔法を放ったおかげで逆に斬撃で対処できた
そのまま地面に着地
「っ!」
【サイレントアイ】の危機察知能力が危機を知らせてきた
着地してすぐに横に回避する
回避してすぐにいくつもの矢が先ほどいた場所に刺さる
第一陣の弓兵の矢だった
「………………っ」
挟み撃ち、そして面倒くさい状況だ
まず兵士全員を倒そうとすればその分体力を消費するし、無限に近い数の兵が追加される
そして無視してディシア殿に向かったとしても近づくたびに兵士を増やされ、そのすべての兵士の攻撃を回避する必要がある
時間をかければ体力はどんどん消耗されるし、この兵士たちなら今までの戦争以上の速さで消耗していく
ならば先ほどと変わらず本人を狙うのみ
今は【サイレントアイ】と【ダメージスライド】がある
ディシア殿以外には回避のみで対応する
ディシア殿との距離はまだあるが、追加される前にディシア殿に仕掛ける!
「………………【ソードオブガイア】!」
地面に剣を振り下ろす、このスキルはその動作で振り下ろした際の力加減に応じて、相手の足元から土や岩が剣のようにとがり、相手を刺そうと飛び出る
「ほう、これはこれは」
だがディシア殿は飛び出る寸前に軽く移動するように回避する
そう簡単にはいかないようだ
「【ソードオブガイア】!
兵士の攻撃を回避しながらディシア殿に攻撃を仕掛けていく
攻撃を仕掛けている間は追加の軍は出てこなかったが
今いる兵士が俺とディシアの間に入って壁を作ろうとする
兵士すべての連携が取れており、味方にあたることを考慮せず正確に俺を狙ってくる
「かかかか、まだまだ忠臣はたくさんおるぞ、どうするガガルよ」
「っ、もうおかわりは十分だ!」
また殿で3日戦うのもこりごりだ、最短で終わらせる
「【ラビットジャンプ・サイド】!!」
攻撃を仕掛けてきたナイトを踏み台にし、ディシア殿のほうに飛び出した
「っなんと!」
「覚悟っ!」
ディシア殿の目の前に到達し、剣を首に目掛けて振り下ろす
「かか、確かに強いの~~ガガルよ………………じゃがわらわも強い!」
「なっ、馬鹿な!」
ディシア殿はなんと、振り下ろした大剣を左手の親指と人差し指で挟んで止めていた
嘘だろ………
「惚けてる暇はないぞ!!」
「あっ、防御を!」
「遅いぞ!」
「ぐっがはっ!!」
ディシア殿が左手で大剣を固定し、俺が盾で防御しようとしたがその間に腹に重い一撃をくらわされた
勢いが強く転がってしまう
「はぁ………はぁ………、っスキルが!」
体勢を立て直そうと立ち上がると、自身の体に違和感を覚え、使用していたスキルが解除されていることを理解した
「ふむ、バフ解除はスキルにも反応するようじゃの」
「スキル解除とは、恐れ入った」
危機察知能力は解除されているが、後ろの騎士に槍を向けられ、詰みの状態であることはわかった
「参りました」
「うむ!」
両手を挙げて降参を宣言するとディシア殿の兵士たちは影に帰っていく
「驚きました、ディシア殿自身も相当強いのですね」
「そうじゃろうそうじゃろう!自身は戦わないから弱いだろうとなめてかかる相手対策に鍛えておったのじゃ!」
元々勝てると舐めてかかったわけではないが、こうも違いを見せられるとは
ということあった、それからディシア殿とよく話すようになった
あの後は龍錬殿たちから町では力を見せるのは禁止と言われ、
その後、皆でばーべきゅーという催し物を行った
肉がうまい、酒によく合う!!
汗をかいた後のビール最高!!!!!
というわけで、俺は改めてマーシャルコードのVtuberとして頑張っていく
応援をよろしく頼むぞ!!
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