妹が記憶喪失になっても、俺以外の家族は誰も悲しまなかった

激 辛

第1話

「分かってる!!アンタのせいでお兄ちゃん高校行けないんだよ!!」


「やっていいこと、悪いことあるだろう。」


「ごめんなさい、ごめんなさい。」


泣いて謝り続ける妹


「お願い、お父さん、お母さんもう言わないであげて」


「でも優。この子のせいでアンタは高校行けないのよ」


「そうだ、ずっと楽しみにしてたじゃないか」


「そうだけどね、でも俺はそれでも妹の悲しんで欲しくないから」


俺は妹が俺の嘘の情報を俺の進学先の高校に流した。そして、俺は高校の入学を取り消されてしまった。

妹がそんなことをしたのは、その日俺が間違えてプリンを食べてしまったからだ。


「まぁ、それにほら通信制とか、まだチャンスはあるしね」

ーーーーーー

あの事件から、少しして妹は部屋に籠るようになってしまった。


たまに部屋から出て来て会うんだが、


 「死ね」


何故か俺は嫌われてしまった。


「春!!お兄ちゃんにそんな言い方!!」


母は俺のために怒ってくれているが


「まぁ、まぁ。お母さん。」


俺は例え嫌われていても、春が傷つく所は見たくない。



「なぁ、優。」


「何、お父さん?」


「いくな何でも、優しすぎじゃないか、そうやっていつも食事運んであげたり」


「お兄ちゃんだしね」


「だけどなぁ、」


「まぁ、俺がしたくてしるし」

ーーーー


二人の会話が聞こえる。


「本当になんであんな子になっちゃったのかしら」


「夏、」


「最初は素直で、優しかったのに、ひきこもるようになっちゃって。」


「俺も悪い、しっかり教育出来なかったから、夏任せだったし」


「・・・そんなことないわよ。現にお兄ちゃんの方はとっても優しい子に育ってくれたじゃない」


「そうだな、兄の方は優秀で優しくて自慢の息子だな」



そんな両親の会話が聞こえて来たが、まるで妹の存在を否定するような会話だ。


両親は普段から優しいけど、あの時から妹には凄く厳しい。


出来れば、両親ももう少し妹のことを思ってあげて欲しい。


けど、そうなったのも、俺への愛が原因みたいな感じだし、頼み辛い。

 

ーーーーー


その日、妹が出て来て、顔が赤い


「春!!大丈夫か!!」


「大丈夫よ!!近寄らないで!!」


「でも、熱が!!」


「アンタに近寄られる方がよっぽど辛いわよ!!」


「春、良いからそこで待ってろ!!階段あるし危ないから」


「お願いだ!!今日だけは言うことを」


「あっ」


春が足を滑らせて、そして


「春ーーーーー!!」

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妹視点 (中2)


私はお兄ちゃんに償えくらいの罪を作ってしまった。

お兄ちゃんはずっとプロバレーボール選手になることを目指して小さい頃からスポーツクラブに入り頑張っていた。

そして、頑張って勉強して強い学校に入学が決まったのに、私のせいで全て無意味になってしまった。


しかもあれは本当は私がプリンを食べてことを忘れてて、お兄ちゃんにプリンを食べたと言い張ってしまった。お兄ちゃんは優しいから疑いもせず、自分が間違えて食べてしまったかもって思って謝って来たんだけど、私は止まることが出来ず、最低なすぎることをした。


お兄ちゃんが取り消しになって無く姿を見て、私はまだざまぁみろって思った。


そして、私は両親に凄く怒られて、反省して、冷静になり、何度もバレーの練習を頑張る姿を見て来たのに、それを無駄にした愚かしさ、もうその色々な感情が私を潰れそうになっていた。


でも泣くのを辞めて、私を見ていつも優しく心配する兄の顔になったあと、一番私を恨んで良い筈のお兄ちゃんは私を責める所か庇ってくれた。




そのあとも、お兄ちゃんは凄く優しかった。両親は私との関わりは最低限しかしなかったが、お兄ちゃんだけはずっと私に優しかった。


でも、私はその優しさが辛くて、思わず


「馬鹿じゃないの!!そんな態度ばっかりして、高校も行けないアホのくせに、私に近寄らないでよ」


そう言ってしまった。


でも兄は


「ごめんね。でも俺は仲良くしたいかな」


そう言ってくれた。こんな私にも


でも、

「いい加減、キモいんだよ」


私は兄に責められたかった。


分かってる、これは怒られせて、責められて罪悪感を抑えたいだけだって、

けどもう心が抑えられない、口が止まらない。


「死ね」


お願い、お兄ちゃん私を怒ってよ。見放して楽になってよ、お兄ちゃん


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