第3話

過去編


 私はよく他人から強い人だと思われる。


 確かに、私は気が強いし、よく男子相手に強い口調で話す。けど私は決して強くない、むしろ本当は弱い。


 「ねぇ、お父さんまた行くの??」


「なんか、文句あるか??」


「特に」


うちには母は離婚して、家いない。そして、父に引き取られたんだが、父親は毎日遊びほつくせいで、私は生活費がない。


 っていうか電気代とかも払わないって頭おかしいでしょ!!


 


 こんな親に生まれて、私は弱い人だと思う。


 「春ちゃんって運動出来てすごいよね!!」

小学校のころに言われた。


 確かに運動出来る方だけど、別に望んでそうなったわけじゃない。父が私に買い物を命令するからだ。


 そもそも、アンタ達は私と違って自由で、やろうと思えば私と同じように努力できるはずなんだ。なのにしないだけ。


 これは望んだ強さじゃない。


 「春!私にも勉強教えてよ!!」「私にも!!」


勉強だって、家にいると辛いから学校に残っている。


 「春って勉強出来てすごいし」「いいよね、羨ましい」


そんなことはない。勉強するしかやることがないからだ。アンタ達の言うカラオケとか私は行ったことがないんだ。


 それに勉強だって、アンタ達は塾に通ったりだとか、親に教えてもらったりすることができる。けど私は自分でやるしかない。親が縛りつける中で、決まった方法でやるしかない。



 私は、そんなふうに色んな人から羨ましいやら、凄いやら言われる。


 別にそんなこと言われて嬉しくないし、むしろあんな親のせいでそんな力ばっかり身についたと考えたら、辛くなる。


 そんな時だった。


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