【誤字修正前 05:56】家族からストレス解消の道具にされていた俺、だがある日、父親が亡くなり

激 辛

第1話

小さい頃から俺の人生は地獄だった。


「辞めてよ、お姉ちゃん」


「辞めて、辞めてってうるさいわね」


「そうよ。お兄ちゃんなんだから、我慢しなよ」


その日は、姉のプリンを父親が勝手に食べたことだった。腹いせに俺が叩かれている。

ーーーー


「アンタの分、ご飯あると思っているの?」


「・・・っ」


「だって、今日アンタ、勝手にプリン食べんたんでしょ」


「それは違うって」


母は知っている筈だった。俺にそんな妥協はないことを、もし仮にあったら俺はもっと辛い目に遭わされているだろう。


ーーーーー


「優、てめぇ、お前がしっかりしねぇから、娘達に嫌な顔されたじゃねぇか!!」


俺を虐める元凶である、父親。


父親は俺以外の家族に良い顔をしているつもりだが、実際は、誰も父親は逆らわないだけである。


そもそも、みんな俺のせいにすればいいからだ。


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その日、急に電話が来た。


「嘘ですよね!!」


母は珍しく焦った顔をしている。


「どうしたの?お母さん??」


妹が母に聞きに行く。


「・・・お父さんが」


「お父さんが??どうしたの?」


「亡くなった」


「えっ?」


えっ??


ーーーーー

それから、葬式が行われて、家族はとても落ち込んでいた。


俺以外は、俺以外は父親のことは確かに怖い人だったけど、優しい人だったんだ。


俺からしたら、暴力マンだけど、


正直、何も悲しくない。むしろ嬉しいくらいだった。


そりゃそうだ。自分に暴力しか振るわない人が親だろうが、言い訳がない。愛情なんてない、殺意だけだ。


だから、自業自得だ。


これで、少しは楽になるかも知れない。


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別に何か、すぐに変わる訳ではないが、母が仕事を増やすようになった。


家にお金がないからだろう。


「お母さんがあんなに頑張ってるのに、アンタは何ぼーっとしてるのよ」


姉は俺に言って来る。


「・・・ごめんなさい」


言い返すのが面倒いから何も言わない。つか言っても変わらないから、言い返したことがない。


言い返すなら、俺は中3だし、公立だ。そして姉は高校生だし、バイトしろって言いたい。何より物を売れと、


「そうだよ、お兄ちゃん、居るだけ何もしない迷惑マンなんだから」


妹もそう言っていくる。俺よりお小遣い多いくせに



でも、確かに思った。


これから料理とか頑張ってみよう。やることないし、




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