第2話

幼馴染視点


 全力で階段を降りる。


 「はい、至急お願いします!」


 私は、なんでこうなる前に辞めなかったの。


 本当に、本当に何で!!何で!!


 あそこだ!!


 「友!!友!!」



良かった、息はある。でも体はボロボロだし、


 上の木がボロボロになってる。クッションになってくれたようだ。むしろ、この傷跡、アイツにやられた怪我の方が大きい。


 「友!!お願い返事をして、返事を」




 間もなく救急車が来た。


ーーーーーーーーー


 その後、友の生存を知り、私はかつてない程に神に感謝をした。


 そして、友を落とした奴は捕まった。


 当然だ。


 私は同じような処分を受けることはなかった。


 

 私、本当に今まで友を虐め過ぎた。こんなことだって、思い返してみたらそれに近いことは沢山あった。


 それに友が落ちた時、自殺をしたのかもと思っていた。


 

 もう二度とこんなことを起こさせる訳にはいかない。友が居なくなるのが一番嫌だから。


 これまでのことを謝ろう。友にどれだけ怒られても責められてもいい、覚悟を決めて謝ろう。


 

 私は友に謝罪とお見舞いをする為に入院してる部屋に入った。


 そして、起きている友を見て、心の不安が解けていくのを感じる。

 もうこの光景を奪わない為にも、謝ろう。本気でそう思った。

 

 そして、 友は私を見かけた瞬間


 「ごめんない。ごめんなさい」


 表示は一瞬で変わり、頭を抱えて苦しそうにしている。



_________

幼馴染視点


 「友!!」


「・・・っ!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」


昔は流石に見た瞬間に怯えるようなことはなかった。


 「あのぁ、私、謝りたくて」


 友は驚いた表情をしているが、直ぐに何かを察した顔をする。


 「わかりました。許しますから、誰に言いませんから、もうこれ以上は勘弁して下さい!!」


「ち、違うのよ、友・・・私本当に、ただ虐め過ぎたことを謝りたくて。」


「許します、許しますから」


これは完璧に話を聞いて貰えそうにない。


でも謝るしかない。


 「友!!本当に本当にごめんなさい!!」


「わかりました!!許します!!もうこのこと誰にも言いません」


「・・・友」


 私は友を余りにも虐め過ぎた。 


 その結果がこれだ。


 完全に私がトラウマになってる。


 そりゃそうだよね。私のせいで屋上から突き落とされたんだもん。



 「友、また・・・次は学校で会いましょう」


「・・・は・・・はぃ」

 唇を震わせて、怯えた声で答える。



ーーーーーーーーーー


 友は入院している。


 私はその間退屈な毎日になっている。完全に自業自得だけど


 「ねぇ、三奈」


「何?中根」


「流石に落とすのはやり過ぎじゃない??」


ごもっともだ。


 「今回は私が落とした訳じゃない」


 「でも、いつも死んで死んでとばっかり言ってるじゃん。」

それは中根も同じだ。


 「アンタも同じこと言ってたでしょ」


「でも、ほら私は直接は言ったことが無いから」


「確かに」

 でもそれだけの問題じゃない。


 「私はもう虐めない。」


「そうだね、私ももう悪口は言わない」


「今回のようなことは二度とあっちゃ駄目だ。」


 話によると、今回のでクラスメイトのみんなもかなり反省したらしく、これからは虐めないようにするみたいだ。

 

_________

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