第10話

雨の日 夜


 新しいクラスメイト達の日々に心が癒されている。

 今日も友達と遊んで来て凄く楽しかった。


 あれは、確かクラスメイトの


 「確か、クラスメイトの可宮だったよね」


「転校生の勇者くん」


「どうしたの?こんな所で傘も刺さずに、風邪ひくよ」


「・・・色々あってね。」

可宮さんは笑顔をする。振り絞ったような笑顔、ほっとけないな。


「とりあえず、これ」

俺は上着を勝手にかける。


「えっ、いいよ。濡れちゃうよ」


「もう濡れたよ」


「でも、寒いでしょ、勇者くんは」


「良いよ。それより少し待ってて」


「えっ、ちょっと」



ーーーーーーーーー


 「はい、これ肉まんと傘とコーヒー、タオル」


「えっ??」


「あっ、別に金を返せとか言わないよ。勝手に買ってきただけだから奢りだよ。」


「いや、申し訳ないよ。傘とタオルは高かったでしょ」


「別にいいよ、クラスメイトの為だもん」

 そして、可宮さんは受け取る。


「・・・優しいね」



「ありがとう、女の子から褒められて、もう儲かった気がしたよ」


「・・・はは、口説いてる?」


「流石に今の状況は違う。」


「それより、どうしたの?家に帰るお金がないとか?それなら出すよ」


「だ・・・大丈夫!!」


「じゃあ・・・どうしたの?喧嘩でもした?」


「・・・うん」


 「そうなんだ。」

お邪魔かも知れないけど勝手に横に座る。


「えっ、こんな所で話聞いてると、勇者くん風邪ひいちゃうよ」


「大丈夫、肉まんとコーヒーまだあるし、それに女の子の愚痴と悩みを聞く、こんなに夢見たいなことはない」


「・・・もしかして、勇者くんって転校前嫌われてた?」


「すごく」


 「そうなんだ・・・だから転校してきたの?」


「そうだよ」


「もしかして女関係??」


「ある意味、」


「え、マジ」


「ある意味」


「どうしてそうなったの?」


まさかの俺が聞かれる方になった。


 「双子の姉に虐められた」


「えっ??姉?」


「そう、姉に」


「・・・そうなんだ」

可宮さんは笑顔になった。


「ねぇ、どんなふうに虐められたか聞いて良い??」


「いいよ、」


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