保育園からずっと大切にしていた義妹にもう遅い

激 辛

第1話 0ー4歳 虐待に年齢は関係ない。

0歳


「馬鹿な夫だよね」

 

「ぁあ本当だよ、この子が俺達の 本当の子ども とは知らずにな」


  「ねぇー、ほらママですよ」


  「マッマ??」


 「まぁ!!呼ぶの上手!!」


「パパだぞ、ほら言ってみろ」

ーー

 「お父さん、パパって呼ばせのは成長したら恥ずかしいから辞めてって言ってるでしょ!!」


「そうだった、悪い。」


「お父さん、この子にはもっと厳しいしないと!!」


「でも、まだ0歳だし、やっぱり可愛いしさ」

ーー


 「何故か、いつも俺には名前を読んでくれないんだよな」


「まぁ、いいじゃないほら、お母さんですよ」


「ママ、ママ!」


「本当はこっそりと・・・ママって呼ぶようにしてだろ」


「そ・・そんな事はしてないわよ。」

ーー

 

「おかしいと思ったんだ!!俺には呼ばなくて!クソ!!ぉクソォ!!ずっと騙しやがって!!」


「ち・・・違うのこれは・・・」


「もう結果は出てる!!離婚だ!!」

ーー


 「バレちまったか。」


「そうなのよ。だからお願い。匿って」


「お前のせいでこっちは慰謝料沢山払わねぇといけねぇんだよ!!」


 「・・・いたっ」

ーーーーーーーー




 「お父さんとお母さんからも見捨てられた、」




「マ・・・マ?」



「・・・っ!アンタなんか!!!・・・



     アンタなんか産まなければよかった!!

______________________________________________________


1歳


いつかの俺視点


俺の過去は辛いことで一杯だった。だから逆に覚えてしまっているのかも知れない。母親の叫ぶ声、時々暴力を振ろうとして辞めるけど、代わりに物が当たって痛かった日々


 「あーもう!!うるさい!!私は仕事で疲れて居るのに」


「マ・・マ」

 フラッシュバックのように何度も何度も思い出す。


 ベットには何もなくて、母親も視界に映らない孤独とたまに物が飛んでくる恐怖。


「はぁ、疲れた。ってまた泣いてるしぁあ、最悪」

 そう言ってから、風が入ってくる。おそらくママの次に覚えた言葉かも知れない。最悪・・・そう言うと母はどっかに行くのだ。

 

 立てるようになった。

 「はぁー、やっと立てるようになったのね。でも、あーむしろだるくなりそう」


 立ったら押さえつけられて泣いたら叩かれる。


 「はぁ、ー本当にご飯食べさせるのめんどくさい」

 美味しいご飯だったか、まずいご飯だったかは覚えてない。だけど、基本ずっとお腹が空いてて空腹を満たす救世主のように感じて居た。


____


一歳 

 いつかの俺視点 


 「やっとこれで、少しは楽になる」


「勇者くんですね」


「お願いね」


「わかりました」


「あ、あの私、帰るの基本遅いのでよろしく」


「あ、そうなんですね・・・あの、とりあえず基本は何時頃予定ですか?」


「うーん、パチンコ次第かな?」


_____

一歳 

 いつかの俺視点


 保育園に入り、俺はここに来たばっかりの頃は鮮明に覚えている。それ程道の場所で天国のような場所だと思った。


 ずっと、ここに居たいと思った。今思うと保育園側からしたらクソォ迷惑だったけど、予定よりいつも遅れて平気で遅い時間にやって来てくれるおかげで俺は楽しかった。

 

____


2歳


いつかの俺視点


 基本的に落ち着いた子どもだったらしい・・・そうだと信じたい。

いや俺の記憶が正しければそうだったと思う。最後に先生にそう言われたよな??

 

母「優、迎えに来たわよ」 

俺は無言で母親の元へ行く



 この時から母親は嫌いだった。急に叩かれるし、叫ぶしご飯は不味いし、会話はしないし。母親にとって俺は憎くて楽な子どもだっただろう。


先生「あの、勇者くんですね、今日は」


「ありがとう、ございますでは失礼します」


この時のやり取りをよく覚えている。

 きっと先生が俺のことを話してくれそうになったことが、嬉しかったんだと思う。その日保育園で初めて服を自分で一人で着れたのだ。先生達は沢山褒めてくれて嬉しかったそれを無視する母親の姿がさらに強烈に頭に残っていた。


 「はぁ、だるい、良い相手が見つからないかな?」

 

 母はよくそんなことを口にしていた。いやなくらいその言葉を覚えてしまった。保育園でそのセリフを真似たことがあるらしく、先生達の中で軽く問題になったらしい。

_______

3歳

いつかの俺視点


 俺への虐待はより強くなった。


 「辞めてよ!!ママ!!」


「アンタが居るから!!私がこんなに苦労してるんでしょ!!」


理不尽に叩かれた。何に怒られたか分からない。急に夜遅いのに出て行ったと思って戻って来たら怒っててそのまま叩かれてた。


 「いい他の家はもっと酷いんだから!!外では静かにしてなさいよ!!わかった!!」

 母親は注意する。急に叩かれて辞めてと言っただけなのに、その原因は母親なのに


「わかったよ」

 だが、逆らうことは出来ない。結局保育園の先生達とずっと居たくてもそれは出来ないしその上で、最近母は家にいることが増えた気がする・・・前みたいに外に行ってて欲しいなと思って居た。


 


 後の俺はこの時の母はストレスの解消先であるサンドバッグの俺に叩けるようにのってそっちの方が心他よくなって居たのだろう。



_____


  羨ましいと思った。当時の俺は当然キャラとかおもちゃもほぼ触ったことないし、外に出る機会も少ないので乗り物もよくわからなかった。


その為、俺には友達は居なかった。人と話す事が怖かった。


 でも、俺は勇気を持って友達を作ろうと頑張ったが


 「アンタのせいで!!話しかけられたじゃない!!」

俺が誰かと仲良くなったら理不尽に怒られてしまう。


___


4歳


いつかの俺視点



 ある日、転園して来た子がいた。


 「春です!!よろしくお願いします」


俺にはどうでもいいことだと思ってた。だってどうせ話せないし、話しても怒られるだけだし・・・と考えるようになっており、4歳なのに人間関係で既に諦めて居た。


 「・・・春ちゃん!!遊ぼうよ」


「え、あ、あの私、絵本読みたい」


「えー、」


 友達の誘いを断る春が羨ましいと内心嫉妬して居た。


________


 春は友達と話すのが苦手で、よく絵本を読む人だった。

だんだんと嫉妬より、一人居る姿に俺と似てるなと思った。

  


 そして、別な共通点として春は俺と同じくらい迎えが遅い人だった。

 「今日も、春ちゃんと勇者くん・・・あ、本当にいつまで経っても来ないわね」

 先生も心配そうにして居た。


 「正直、お父さんとお母さんより、絵本読んでて全く手間かからないし、話もよく聞いてくれる子ども達の方が優秀だわ」


_____



 その日、俺と春は二人でずっと静かに待っていたが、たまたま頭を軽くぶつけてしまった。

 春は号泣してしまった。


 俺はただでさえ、会話も出来ないのに、友達を泣かせたなんてトラウマモンだった。


 俺は誤った。何度も謝った。


 しばらくして泣き止んだ。春は許してくれた。


 「ここね、たんこぶ出来てたの」


 その時の衝撃は今でも覚えてる。


 「これね、お父さんに叩かれてね。出来てたんだ」


春はそう言うと当たったところを見せてくれる。


凄く腫れてていた。どうりで軽く当たったのに、号泣した事に納得した。同時に申し訳なく感じて


「・・・お父さんに?」

自分も似た経験を沢山した記憶がある。


 「あの時ね、凄く、凄く痛かったの」


春は思い出したかのように、また号泣してしまう。


 痛みを与えてしまった申し訳なさより、まるで自分みたいだと思い、ほっとけなく感じた。


 「俺も、お母さんに叩かれてここも、ここも、たんこぶ」

 責めて、同情して欲しい。分かって欲しい思って居た。何より笑って欲しいと思った。


「・・・本当だ、痛くないの??」


「今当たった春ちゃんよりは痛くないよ」


「でもさっきそこ当たったよね」


「うん、本当は痛かった。」


「なんだ、勇者くんもかぁ・・・」


春は笑ってくれた。



 「春迎えに来たぞ」


春のお父さんが迎えに来てしまった。


 俺はさっきの話を聞いて、春のお父さんがとても怖く見えた。


 何より、春は凄く怯えてる。そんな春を見て怒りを心の底から感じた。母親のことも嫌いだとは思っていたし、理不尽だとも思って居たが怒りはなかった。と言うよりここで初めて怒りを知った。

 

 けど当時の俺が何か出来るわけがなく、春は怯えながら父親とそのまま一緒に帰ってしまった。


 悔しかった。何も出来ないのが悔しかった。


その日の夜、トイレに入って悔しさと春が今何か酷いことをされてるんじゃないかと思い母親に聞こえないように声を抑えながら泣いた。

________

 

 次の日、俺は春と話せるようになった。


「勇者くん、その今日は一緒に・・・おままごとしない?」


「いいよ!!」


初めて遊びに誘ってもらった。


嬉しかった。ずっと孤独で誰とも話しをしないことが当たり前だったし、


____


「・・・見てこれ、勇者くん折り紙で鶴作ったんだ」


「ねぇ、どうかな?ハートの絵かわいい??」


「・・・勇者くん!!今日はね!!」


_____


毎日が春ちゃんと一緒にいる時間が楽しくて、唯一の楽しみになっていた。


「・・・もうすぐ着ちゃうね」


「そうだね」


両親が来ないことを祈っている。


でも夜には来てしまう。


「・・・もっと遊びたいのになぁ」


普通は親が来たら子どもは喜んで帰る。だけど俺達は違う。


「・・・ねぇ、優君」


「何?」


「私も、みんなみたいに優しいお母さんとお父さんが欲しかったな」


「そうだね。俺も欲しかった」

いつも幸せにそうに帰る、みんなが羨ましかった。


「・・・ねぇ、優君。もし良かったら」


「何?」


「私のおに・・・」


春ちゃんが何か言おうとした瞬間、お父さんが帰って来てしまう。


「あ、」


「・・・」


来ちゃったね。と言えない。春ちゃんはお父さんに残念そうな顔を見せると嫌なことをされちゃうのだ。


「じゃあね」


「うん」


春ちゃんが何か言いたそうにしててたなぁ・・・聞きたかったなぁ。

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