2024年7月25日放送 題・ラーメン

今回のお題は、「ラーメン」。

身近な食べ物だけに、

難しいお題だったかもしれませんね。

しかしながら、

今回も、

個性的な「ラーメン」俳句に

出会えました。


さて、

今回は総勢7名の俳句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

才能ナシ・最下位(5点)に選ばれた、

タレントの

勝俣州和(かつまたくにかず)さんの

俳句を見てみましょう。


麺の神汗に塗れたかたつむり


汗もかたつむりも、

夏の季語です。

かたつむりが

特に分かりにくいですね。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


麺の神と呼ばれて汗にまみれけり


「まみれけり」は

いい着地だと思います。

これはこれでいいのでしょうが、

添削例を挙げてみます。


A ラーメンの神様の汗かがやけり

B ラーメンの神の精神かたつむり

C ラーメンの神よ汗まみれの神よ


麺だけでは、

何の麺か分かりませんので、

しっかりとラーメンと書きました。

添削例Bでは、

なんとか「かたつむり」を

活かせないかと考えてみました。


次に、

凡人の第3位(50点)に選ばれた、

タレントの

アンミカさんの

俳句を見てみましょう。


盆の月ラーメンの香に父偲ぶ


盆の月が、

夏の季語です。

場面はよく分かりますが、

もう一工夫ほしいところです。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


盆の月かのラーメンの香よ父よ


「香よ父よ」と

詠嘆を繰り返すのは、

少し大袈裟でしょうか。

添削例を考えてみました。


A 父と食べたるラーメンや盆の月

B ラーメンが父の背中が薫る夏

C ラーメンと父の笑顔と夜の蝉


父の描写を

少し足してみました。

ラーメンの種類が分かれば、

もっと具体的な俳句になったでしょう。


最後に、

句集掲載決定と評価された、

永世名人の

フルポン・村上さんの

俳句を見てみましょう。


味玉の尻の凹みや夏の夕


「尻」という表現が

あからさま過ぎる感じがします。

永世名人なら、

もう一工夫欲しいですね。

ちなみに

「味玉(あじたま)」は、

味付け玉子のことです。

添削例を考えてみました。


A 味玉の臀部の凹み夏の夕

B 味玉の頭部の凹み秋の夜

C 味玉の臀部のへこみ虫の声

D 味玉の頭部のへこみ秋の声


尻ではなく、

臀部(でんぶ)と、

言い換えてみました。

そうすることで、

詠嘆の「や」を削ることが出来て、

スッキリした句になったと思います。

また、

「夏の夕」「秋の夜」は、

夏の季語。

「虫の声」「秋の声」は、

秋の季語。

添削例C、Dでは、

後者の聴覚的季語を使ってみました。

そうすることで、

より臨場感のある

俳句になったかなと思います。


今回は以上です。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る