2024年5月30日放送 題・洗濯

今回のお題は、「洗濯」。

夏らしい題ですね。

しかし、

あまりにも身近な行為ですから、

逆に俳句にするのは、

難しかったのではないかと、

推察いたします。


さて、

今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

第3位の凡人69点に選ばれた、

アイドルの

川島如恵留(かわしまのえる)さんの

俳句を見てみましょう。


キャンプの夜乾いたシャツは煙の香


シャツだけでは、

季語にならないようで、

夏シャツとかTシャツだと

夏の季語になるようです。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


Tシャツに昨夜(よべ)のキャンプの煙の香


これで十分だと思いますが、

別の添削例を考えてみました。


A TシャツにBBQの匂う朝

B Tシャツに昨夜のキャンプ薫るなり

C Tシャツに薫る昨夜のバーベキュー

D Tシャツやキャンプの記憶薫る朝


煙を削ってみました。

洗濯という題からは

少し離れていますが、

許容範囲でしょうか。


次に、

第1位の才能アリ71点に選ばれて、

特待生に昇格した、

脚本家・演出家の

蓮見翔さんの俳句を見てみましょう。


部屋からは洋画の予告夏の雲


良い俳句だと思います。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


1 ベランダの夏雲部屋からはニュース

2 ベランダの夏雲部屋からはサザン


ベランダが夏の季語で、

夏雲という夏の季語と

合体させるという方法です。

しかし、

やはり出来るだけ、

季重なりは避けたいですね。

添削例を挙げてみます。


A ベランダや昼のニュースと青い空

B ベランダや宇多田ヒカルと白い雲

C YOASOBIのTシャツを干す青い空


原作の出来がいいので、

このくらいが限界でしょうか。

少しポップにしてみました。


最後に、

名人6段から7段に昇格した、

フリーアナウンサーの

皆藤愛子さんの

俳句を見てみましょう。


洗剤の封切る新緑の朝(あした)


ありふれた日常の一場面を

見事に切り取った秀句でしょう。

「新緑」が夏の季語です。

別案として、

添削例を考えてみました。


A 新緑や洗剤の封切りにけり

B 洗剤の封を切りゆく新樹光(しんじゅこう)

C 洗剤の封を切りたり風薫る


「新樹光」が夏の季語で、

若葉の瑞々しい光のこと。

原作の爽やかな雰囲気に

寄り添って、

作ってみました。


今回は以上です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る