2024年5月16日放送 題・雨降りのシーン

今回のお題は「雨降りのシーン」。

ドラマの雨のシーンに

特にこだわる必要は無く、

雨の日の情景を

切り取ればいい、

ということのようでした。

それにしても、

今回の査定は、

凡人のいない、

才能アリ2名、才能ナシ3名の

天国と地獄の真っ二つに分かれた、

珍しいもので、

観ていて面白かったです。


さて、

今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

第3位の才能ナシ37点に選ばれた、

俳優の高島礼子さんの

俳句を見てみましょう。


おもい足夕立晴に笑顔かな


雰囲気は悪くないと思います。

「夕立晴(ゆうだちばれ、ゆだちばれ)」が、

夏の季語です。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


重い足重い心へ夕立晴


今ひとつ、

パッとしませんね。

もっと良くなりそうなので、

添削例を挙げてみます。


A 帰りゆく足軽くする夕立晴

B 精神の鉛溶けゆく夕立晴

C 魂の鉛溶けゆく夕立晴

D 君が来るときわたくしは夕立晴

E 夕立晴みたいにほほえんで「待った?」


シンプルな添削から、

鉛を比喩に使ったもの、

そして、

恋の俳句など、

工夫を凝らしてみました。


次に、

第2位の才能アリ70点に選ばれた、

俳優の結城モエさんの

俳句を見てみましょう。


春雨や祖父の先ゆくかえる寺


変える寺は、

福岡県の如意輪寺のこと。

カエルの置物が

1万体置かれているそうです。

夏井先生は添削の必要なしと

評価されましたが、

もう少し良くなりそうなので、

添削例を挙げてみます。


A 祖父よりも前をゆく春雨の寺

B 我と祖父ゆく春雨のかえる寺

C 祖父とゆく五月雨強きかえる寺

D 「待ち合わせかい?」かえる鳴くかえる寺

E 君とゆく夕立晴のかえる寺


いろいろな

シチュエーションを考えてみました。

原作よりは、

臨場感や躍動感が、

出ているかなと思います。


最後に、

第1位の才能アリ72点に選ばれた、

俳優の津田寛治さんの

俳句を見てみましょう。


雨の森独り空蝉(うつせみ)見る少女


空蝉が、夏の季語で、

蝉の抜け殻のことです。

少女の孤独感が

しみじみと感じられて、

良い俳句だと思います。

別案として、

添削例を考えてみました。


A 空蝉を見つめる少女雨の森

B 空蝉となりたる少女雨の森

C 空蝉は魔女の化身か雨の森

D 空蝉は何から逃げてきたか 雨

E 雨止めば森の空蝉光り出す


よりメルヘンチックに

よりファンタスティックに

直してみました。

添削例Eでは、

希望の薫る俳句に、

仕上げてみました。


今回は以上です。





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