2024年4月4日放送 題・スニーカー

今回のお題は「スニーカー」。

身近なお題ですので、

比較的作りやすいのか、

あるいは、

身近ゆえに、

逆に作りにくいのか。

「スニーカー」というよりも、

「靴」のイメージの

俳句が多かった印象です。。


今回は、全7句の中から、

3句を添削してみました。

まず、

第4位に選ばれた、

コメンテーター(社会実業家)の

石山アンジュさんの俳句を見てみましょう。


厚底や挫く心と青い春


「挫く」は、「くじく」と読みます。

青春時代の厚底靴の想い出。

内容は悪くないと思います。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


わが青き春厚底に挫く足


もう少し良くなりそうですので、

添削例を挙げてみます。


A 厚底に挫く足首春の空

B 春を行く厚底に足挫きつつ

C 厚底靴ルーズソックス春夕焼

D 厚底が闊歩していた春の街

E 厚底の少女が春の渋谷行く


「厚底」が、

この句の生命線でしょうから、

「厚底」を使って、

いろいろなバリエーションで、

添削してみました。


次に、

第2位の才能アリ(70点)に選ばれた、

俳優・タレントの

村山輝星(きらり)さんの俳句を見てみましょう。


われ反抗期春夕焼の海岸へ


「春夕焼」は、

「はるゆうやけ、はるゆやけ」と読みます。

「反抗期」の俳句は新鮮ですね。

夏井先生の添削例を見てみましょう。


われ反抗期春夕焼の波見つむ


これで十分でしょうが、

お題の「スニーカー」感が、

あまり感じられません。

添削例を考えてみました。


A 春夕焼の海岸を行く反抗期

B 春夕焼の海岸に靴脱ぎ捨てる

C 春夕焼靴を片手に渚行く

D スニーカー脱ぎ捨て春の渚行く

E スニーカー脱ぎ捨てて見る春の海

F 反抗期裸足で駆ける春の浜


情景が、

よりクリアーになったかなと思います。


最後に、

永世名人の

横尾渉さんの俳句を見てみましょう。


風光るピボットの軸は逞し


「風光る」が、春の季語。

「逞し」は、

「たくまし」と読みます。

「ピボット」は、

バスケの技の一つで、

片足を軸にして、

もう片方の足を旋回させるものです。

バスケシューズが感じられるので、

お題の範囲内ということでしょうか。

しかし、

もう少し良くなりそうなので、

添削例を挙げてみます。


A 風光るピボットの軸たくましき

B ピボットの軸たくましき風光る

C 花冷やバスケシューズの音あまた

D スリーポイントシュートの放物線の春

E 春疾風(はるはやて)ダンクシュートの恋だった


バスケの場面を使って、

様様な添削例を考えてみました。


今回は以上です。



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