2024年3月7日放送 題・北陸新幹線 名人・特待生一斉査定スペシャル
今回のお題は、「北陸新幹線」。
そして、
今回は、
名人・特待生一斉査定スペシャル。
詩的センスの光る俳句が、
揃っていました。
今回は、
名人・特待生の全7句の中から、
3句を添削してみました。
まず、
現状維持と評価された、
特待生4級の、
的場浩司さんの俳句を見てみましょう。
別れ雪古城を抱きてそっと消ゆ
雰囲気の良い俳句です。
「雪の果(はて)」が、
春の季語で、
その傍題に「別れ雪、涅槃(ねはん)雪」
などがあります。
「別れ雪」とは、
その冬の最後に降る雪のこと。
的場さんの説明によると、
この「古城」は金沢城とのこと。
とりあえず、
夏井先生の添削例を見てみましょう。
古城抱く雪あえかなる別れ雪
「あえかなる」とは、
儚げで弱々しいさまのことですが、
この感じは、
季語の「別れ雪」に、
おそらく含まれているので、
「あえかなる」は削れそうです。
添削例を挙げてみます。
A 静かなる古城を抱きて別れ雪
B 聳え立つ城を抱きつつ別れ雪
C 雪の果金沢城を抱くごとく
D まぼろしの城を抱きつつ涅槃雪
E 燃えさかる城を抱きつつ涅槃雪
ネットで調べたところ、
金沢城は、
火災で二度消失したのですが、
現在は復元されているようです。
その金沢城の悲劇的な歴史を織り込んで、
添削してみました。
次に、
現状維持と評価された、
特待生3級の、
犬山紙子さんの俳句を見てみましょう。
長野駅見送る義母の春ショール
良い俳句だと思います。
「春の服」が、春の季語で、
その傍題に「春ショール、
春コート、春セーター」などがあります。
犬山さんの原作の中からだと、
「見送る」が削れそうです。
夏井先生の添削例を見てみましょう。
義母の立つホームや風の春ショール
夏井先生は言葉の優先順位として、
1番に季語の「春ショール」、
2番に「義母」を選んでいました。
しかし、
私は「長野駅」という固有名詞も
捨てがたいと思いましたので、
そのあたりに留意しながら、
添削例を考えてみました。
A 春ショールはためく義母の立つホーム
B 長野駅ホームに揺れる春ショール
C 春ショールはためく長野駅ホーム
D ホームには君のはためく春ショール
E 新幹線君のはためく春ショール
登場人物は実際は義母だったようですが、
そこは演出として、
ほかの人物でもいいのでしょう。
私は試みに「君」を使って、
恋の俳句にアレンジしてみました。
最後に、
名人9段の、
中田善子さんの俳句を見てみましょう。
旅ひとり「はくたか」を追う百千鳥
完成度の高い句です。
「百千鳥」が春の季語で、
群れてさえずるさまざまな鳥のことです。
夏井先生は、この句を、
1ランク昇格と評価されました。
ですので、
代案として、
添削例を挙げてみます。
A 新幹線「はくたか」を追う百千鳥
B 君と乗る「はくたか」を追う百千鳥
C 「はくたか」の止まるホームや百千鳥
D 百千鳥みたいに光る新幹線
E 君の来る新幹線や百千鳥
全ての添削例に、
季語の「百千鳥」を使ってみました。
原作の「旅ひとり」は、
言わずもがなかなと思いました。
今回は以上です。
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