第2話
やけど、跡の残る傷、物の破損。
そして、目を失明させてしまった。
当然学校は大問題になった。
傷も明らかに、事故じゃなくて、誰かがやった傷。
先生や保護者の方は問い詰める誰がやったのかと
「・・・」
だけど、彼は言わなかった。
「・・・俺が悪いんだよ。声を勝手に好きになってから」
そう、彼はそう言った。
先生も保護者さんも優君が何を言ってるか分からなくて、結局犯人は見つからないまま、そして、優は転校することになった。
そして、転校前に優は私の所に来て
私は謝ろうと思った。彼が私のことを恨むのは当然だ。どんなに恨まれても仕方ない。今から私がやったと言われても、その覚悟はしないと、だって私が、彼の片目を失明させたんだから、私がいっ・・・
春は優の目の傷を見て絶望した。
優は片目は大きく傷があり、痛々しく、眼帯もしてある
もう一生残らないし、一生の傷になることは確定してしまってることはわかる。
私のせいで、一人の人生を狂わせたんだ、私の
「春ちゃん。ごめんね」
「えっ?」
何で、謝るの?謝らないといけないのは私の方なのに、
「春ちゃんずっと、声のこと言われるので嫌だったよね。それなのに俺はずっと」
「そんな、そんな、違うの、私が私が・・・」
「私が?」
「私がいやだっ・・・」
嫌だって思ってない。優は煽ってたんじゃなくて、本当に私の声が好きで褒めて
「ごめんなさい、ごめんなさい。私は優の目も傷も沢山作って、私は」
許されない。私がしたことはただの暴力だ。優は褒めてくれたのに、それを暴力で返し続けた、クズだ
「・・・私は、優に褒められてたのに、褒められたのに」
嬉しかったなんて、今更言えない、そもそも今やっとその気持ちに気付けたのに、
「・・・そっか、ねぇ、春ちゃん、お願いがあるんだけど」
「・・・なに、私、何でもする。優には返せないほど、の恩がたくさん」
「・・・あっ、あいいな」
優は満足していた顔をしていた。
「優君??」
「・・・っ」
「優君、どうしたの、私は何でもするよ。何でも、優には返せない程のことが沢山」
「いや、その・・・もう叶ったと言うか」
「えっ?」
「最後に名前で呼んでほしいなと思ったけど、呼んでくれたから叶ったと言うか、やっぱり春ちゃんの声はかわいいね」
私は二度と忘れることは出来ない。この笑顔を
そうして、優は引っ越した。
優がいなくなってから気づく。
私は恩や罪の意識のほかに、失恋したんだと
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