第107話 オンダン2世

 21xx年x月xx日(土) 天候:雨



 今日は、朝から雨が降ってるの。空気も潤って、とても気持ちがいいわね。


 あれから、1年が過ぎて、日本の天気が少しずつもとに戻って来てるわ。雨だって、それなりに降るようなったの。だから、本州でも生活できる場所が増えてきたのね。

 人口もほんとに少しだけど増えてるわ。




 私も、ちょっとは貢献してるのよ…………。



「おーい、シズ~…………朝ご飯ができたよ~」

「はーい、あなたー。今、行くわ~」


「うん、ゆっくりでいいからな。気を付けろよ~」

「大丈夫よ~……平気!平気!」



 うちも、もうすぐ家族が増えるのよ!…………そう、あの戦いの後、私達はすぐに結婚したの。



 あっちょんたら、帰りの“マグマ”の中で、プロポーズするんだもん……びっくりしちゃった!

 だって、第一艦橋で、みんなが見てるのに指輪を出して来たのよ。あたし、嬉しくって思わず主砲を打っちゃったのよ!



 でもね、傍で見ていた真黒事務長まぐろじむちょうさんの目が光っていたのよね。後で聞いたんだけど、学校へ帰ってから、すぐに事務長さんから教頭先生にプロポーズしたんだって!



 結婚式は合同でやったの。うちの学校の体育館でね。生徒もたくさん参加してくれたわ。


 その頃は、まだ気温が高かったので、ウェディングドレスは“白のビキニにレースの飾りをたくさん付けた”水着ドレスだったの。

 ケーキは、もちろんアイスケーキだっわ!



 この子ももう少しで生まれるの。この子が大人になる頃には、すっかり昔の地球に戻っていると思うの!

 本当に良かったわ!






★記録者:厚着あつぎ(旧姓:胸山むなやま) 湿図絵しずえ(シーセンセ)



【地球観測日誌はつづく】

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