第49話 新たなる目標

==これは、地球を救うヒーロー達の日常に密着した物語である==




「あーー!ミー先輩ずるーーい!また、一人でオヤツ食べてる~😱」


「ん?マナ……別に独り占めしてる訳じゃないぞ~丁度資料の整理が終わってな……お前も食べれば?」


「ん、もー、ミー先輩ったら!あたしは、一緒に食べたかったの!プンプン!😤」


「すまん、すまん……ほら、マナの好きな“イチゴ大福スウィートアイス”だ!早く食べないと溶けるぞ!」


「うっわー、さっすがーミー先輩!あたしの大好物よ!よく分かりましたね!」





「……ん?……そりゃ、お前はな~

…………どんなに泣いていても、イチゴの入っているお菓子をあげると、いつも嬉しそうに食べてたじゃないか…………」





 南中子みなこは、昔を思い出すように“イチゴ大福スウィート”を美味しそうに頬張る真夏美まなみの顔を見つめていた。





 そんな部室の静寂を破るケタタマシイ足音が近づいて来たと思うと、急に入り口の戸が力一杯開かれた。




「……て、てえ、てえへんだ!親分!」

「どうした?八!」

「そ、そ、それが、この間入選したミー先輩の論文が……論文が……」


「えーい、論文がどうしたってんだ~勿体ぶらずにさっさと白状しろい!」

「う、う、ううう……申し訳ありゃーーせん!お奉行さま~……うう、うう……」

「えーい、泣くんじゃねえーー、証拠は上がってんだーー、さっさとゲロしちまいなーー!」





「えーーっと…………マナ?……アッツ?……“岡っ引き”から“下手人”に変わってないか?

…………わたしは、いいけど…………

シーちゃん先生が、後ろでキョロキョロして困ってるぞ」





「あ!申し訳ありません!女王陛下、へっへー m( _ _ )m 」


「誰が、女王陛下じゃ~…………そんで、アッツ?どうしたんだい?」





「あ!……すっかり忘れてました!

 …………えっと、この間入選したミー先輩の論文が世界的に有名な科学雑誌“ナンジャコリャ?”に掲載されましたーー!」





「え?本当か?本当なのか、秋葉原博士!」

「マナ博士!駅を乗り過ごしておりますぞ!う、オッホン…………まあいいけど!2つ駅を戻ったこのわしが、知っている限りこの“ナンジャコリャ”は、世界各国の言語に翻訳されて、今じゃ世界共通の科学雑誌になっているんじゃ」


「おおお、そうだったのーー新御茶ノ水博士!」

「もう一駅戻ってくれんかの~」


「いいんだ、そんなことは!…………トニカク、ミー先輩の論文は、今じゃ世界常識になったんだ!おめでとうございます!ミー先輩……いや、上杉部長!」





「あ、ああ……ありがとう…………でもな、研究はまだ途中なんだ」

「と、と、と、、ウッフン😘、……ど、どういう……ことなんです……かー?」



「やっと、通常の登場人物に戻ったと思ったら、シーちゃん先生?あんまり、変なとこで、言葉を切らないでほしいんだけどな………」



「ご、ご、ごめん……な、……さい。……😘………い、します……ね、ぶ、。」


「もー、シーちゃん先生まで?……わたしは、“ぶちょー”!


…………でもね………

あの論文は、まだと……😘(あれ?)……なの!(あ!いけない、わたしまで)

地球が発熱しているのは、ウィルスのせいだという仮説まではできたの。

その後、ウィルスをどうやって駆除するかの方法がまだ見つからないの……


……いいえ、見つけてはいたの、布礼愛姉さんが……


でも


わたしが、まだその答えを理解できていないの…………


ウィルスを駆除するポイントは“結晶”だということまでは分かったのよ……

ただ、その“結晶”は、どこで?どうやって?手に入れるかが、分からないの……」




「だ、大丈夫よ!……あ、あな……ならできるわ……が、がん、ばりましょう……ね」

「ありがとうございます、シーちゃん先生」

「あたし達もついてるじゃない!ミー先輩!」

「そうだな、マナ!アッツ!……頼りにしてるぞ!」

「ガッテン、承知のスケだってんだーーー!」



 南中子が2年生に進級して、まもなくの出来事だ。地温研同好会は、新たな目標を見つけ動き出したのだった。


 そしてこの後、南中子達はあの“ラーメン雪男”の戦いで、初めて“氷の結晶”を手に入れるのである。




(つづく)

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