第5章 ありふれた日常の変化

第37話 安らぎのホーム

==これは、地球を救うヒーロー達の日常に密着した物語である==



「行くぞ!フォーメーション“巴5段投げ!”ヤア~……オリャオリャオリャオリャ……」


 いきなりシーセンセったら、敵の襟首掴んで手前に引いたわ!力が半端ないわね~。

 あ、そうそう!センセったらね、“ちゃん付け”は、よくありません!って、言い出したのよ!

 絶対、彼氏のせいね。彼氏は、体育教師で柔道の猛者って噂よ。

 挨拶は、“オッス”

 一人称は“自分は”

 年下は“呼び捨て”

 年上は“先輩” だもんね。“ちゃん付け”んなんてもっての他よ!


 まあ、いいんだけど、いきなり“巴投げよ!”

 あ!今度は、空中でアッツ(イエロー)が飛びついた。


「ソレッ!イヤー……」


 わー、アッツも空中で巴投げをカマしたわ……今回の敵も気の毒にね~、今度はコロナちゃん(グリーン)ね。


「エイッ!イヤー……」


 すっごい、アンドロイドの腕力で、巴投げを食らわしたわ。まだ、敵は空中を彷徨っているのよね~……今度はあたしか……シャ―ないなー


「ホイッ!イヤー……」

 

 空中で受けるのは、難しいのよね。最後は、ミー先輩(ブルー)ね。


「ガッワシ!フン!……オリャアアア……トゥーーー!」


 わああ、ミー先輩の最終巴投げ5段目は…………あれは、反則ぎりぎりね……だって、空中で相手を捕まえて、地面に向かって投げおろすのよ!受け身もへったくれもありゃしない。最悪の衝撃よね!



 ズドオオオーーーン!メキメキ、バキバキ、グワシャラランンンーーー!



 どうして、こんなで暴れるかな~ワンフロア―棚の商品がみんな木っ端微塵よね。

 仕方ないか、今回のオンダン魔人は、“試食販売ウレソー”だもんね~。きっと、ウィルスが離れると……あの人よ。


 ガラン、ガラン……ゴロン






「……あ!店長~ご無事で………良かったです」

「う、う、こ、これは…………あーーー!」

「店長!……あ、ホールの現状を見た途端、気を失ってしまった……」





「じゃあ、後は任せた副店長……オンダンV帰還せよ!」

「了解!所長!!……トォーー」


 また、後始末有耶無耶にして、帰るのか~……いいのかなあ~?







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ハー疲れたな、湖路奈。コーラくれないか?

 

(戦いもいいけど、もっと研究所の近くでやって欲しいよな~。終わってから帰るの、とっても面倒くさいんだよね~。

 折角研究所に帰ってきても、誰もお迎えがいないしなあ~。せめて、メイドロボットでもいればなあ~)」



「所長、わたしも疲れたの事よ!コーラ欲しいな~」



「(あーあ、湖路奈がなあ~、メイドアンドロイドだったらなあ~。2人で研究所のオンボロソファーに座ってちゃダメだよなあ~)」



「ところでさ~湖路奈?お前は疲れないだろう?だって、アンドロイドなんだから!」


「ああ!所長!パワハラだ~アンドロイドって言った~」

「え?アンドロイドに、アンドロイドって言ったら、ダメなの~?」


「所長、そんなことも知らいの事あるか~

……そもそも、アンドロイドもロボットの一種としてパターン化されています!

従って、ロボット3原則+近代温暖化原則により、所長の発言は原則違反と認定されましたの事よ!」


「何?何?……誰に認定されたの?

 (テレビばっかり見てるから、変なニュースの知識だけ増えてさ……困ったもんだよね~)」



「だから~所長!コーラ持って来てよ~!」


「はいはい、分かりましたよ!今持ってきますから、お待ちくださいよね、ご主人さ~ま!」



「(うふっ!ご主人様だって

……ところで、わたしテレビなんか見てないもんね、もっぱらネットよ、インターネットなの。

だって、わたしどこでも、Wi-Fi自動受信できるもんね!目で見なくても、分かっちゃうんだもん!)」



「はい、お待ちどうさま……ん?湖路奈、何か言ったか?」




「何の事?……わたし、何も言ってません事ね!…………所長、コーラのお礼するよ!」


「お!何かしてくれるのかい?」



「マッサージしてあげるから、こっちのソファーに来るの事よ!」

「え?ヤダよ~、お前の力で揉まれたら、体がガタガタになっちゃうよ!」

「大丈夫だから、そんなに力は入れないの事よ……早く、こっちこっち」



「大丈夫か~……ん……これでいいのか?……お、おい、おい……どうするんだ?」



「わたしが座って、その膝に所長の頭を載せて、わたしの手はリモコン操縦できるから、手首だけ飛ばして自由に所長の体をマッサージっと!」



「おおおー、湖路奈~、お前そんな事ができたのか?……すっごい、気持ちいいぞ~……家事はできないのになあ~」


「煩いの事よ、所長!大人しく寝てなさい…………」








「所長?……所長?…………」


「……………………スー……スー……………」



「…………ホントに、世話の焼ける…………

……………、あんまり頑張り過ぎないでくださいね……」






(つづく)

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