第52話 時

【零、私はあなたに救われたの】


琴美、急にどうしたんだ?


【英二がいない!!それと何、ここにいる人々動かないよ。何?俺達だけ?】


【零…英二は帰ったよ。たぶんだけど、ルックちゃん🐕の力でね、時は私達以外とまってるの】


【ルック🐕?私達以外?何のこと?】


【時間ないから私の話を先に聞いて】


【解った。何が何だか解らない。とりあえず聞く】


【霊界から何回か現代に行って、現代を知らない私は学校っての経験したくて、そこで零、あなたにあったの】


【霊界で育った、それが琴美ってこと?】


【そう。あなたとは違う世界に生まれてるの。でも霊界に戻る直前にドジッちゃった…事故で】


琴美は俺達と違う世界で生まれたのか。


※キューン🐕※ 僕も話せるよ。


【それとね。今、ここで話せるのは、零とルック🐕と私だけ】


確かにルック🐕も何か言ってるな。


琴美は、


【ルックちゃん🐕もね、本来なら時を止める範囲に入るのに、こうやって話せてるとこみると、やっぱ特別な能力あるんだろうね】


【琴美は何で俺に会おうとしたの?】


【学校でね、私、みんなに話せなかったの。霊界と全然違うから。でも零、話しかけてくれて、自然と好きになって、でも別れが…零の中に私の記憶残したくなかった。悲しませたくなかったの】


【そんな…寂しい事言うなよ】


【それとね、私が時を止める能力を身につけてるのは霊界の住人だから。ここではね、みんな生涯ただ一度だけ使えるの】


【それを今使ったの?…その…聞きにくいけど、琴美は事故の後って?ごめん、これは無理しなくていいや】


【大丈夫。事故で私は霊界に戻された。この場合、普通は現代の人が霊界に行くんだけどね】


これは話しづらいな。悪いこと聞いちゃったね。


琴美、事故で…聞くべきでは無かったな。


【ごめん…もう話さなくていいから】


【ごめんなさい…あなたに…会ってしまって、知ってしまったから。どうしても会いたくて同窓会に、本当は同級生でも何でも無いんだけどね…そこでも記憶操作しちゃった】


同級生じゃなくてもいい。琴美の全てが大好きだ。


【あのさ、もう俺の記憶消さないで。どんな事あっても、琴美を忘れることはない。何よりも離さない!!絶対に】


【零、ありがとう。そろそろルックちゃん🐕の言う通りに行こう。そろそろ時が動き出すから。その前に制御室に】


琴美の能力もそうだけど、


ルック🐕、お前にもそんな能力あったのか。


 不思議だね。よくキューンキューン🐕っていうから、それとても可愛くて。飼ったけどさ。


この先何か起きそうだな。


 それにしても琴美のとても辛い過去を思い出させてしまった。明る元気だから、そんなこと全然知らなかった。これは琴美が記憶を操作したってもあるんだけどさ。


 霊界に生まれて育ってきた、琴美のことを好きになって、俺達の現代と重なって、全てが良かったって訳にはいかないもんだな。


聖奈の身にも何か起きてるし。


琴美は、


【零、手を繋いで。ルックちゃん🐕離れないでね】


※テレポート※

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