第38話 支えられて

 聖奈から連絡で友奈が体調を崩したってことだ。霊界のテレポートが関係していなければいいけど。これじゃ通信のこと有休中にお願いは出来ないよな。友奈からの連絡を待とう。このことは焦らせない。きっと霊界のと通信を設定してくれるはず。


 聖奈には全てを話して、俺のことを信じてくれて、応援してくれると。ほんとよく出来た姉だ。


 もし血が繋がらないって知らずにいて、こんなにも素敵な姉だったら俺の性格からもっといろいろ相談とかをしていたに違いない。


 聖奈の気持ちを知って、こんなふうにって、どうなんだろう?やっぱ失礼かな?


 俺も家を出てみるべきなのか?それともここにいて、聖奈との関係を維持すべきなのか?何とも難しい選択ではあるね。


 琴美の言っていた戻ったら自分に正直に、これって聖奈の気持ちを受け入れるってことか。現代と霊界の通信が出来るようになったとしても実際に行き来出来る訳ではない。あのことが起きるまでは…


 あのこと…琴美に俺だけに言われているあのこと…これは絶対に言えないな。本当ならそれは…いやいや、やめよう。とにかく全力で走りきろう!!


 そして仕事に全力はやめよう。もっとしっかり休んでいいはずだ!!働く側の義務だ。と、いいながら、今日会社に来てる俺、確かに無断欠勤となってしまったので。心配も迷惑もかけてしまった。


 そりゃ、霊界に行って来ました!!そして疲れてたので休みました!!なんて言えるわけない。聖奈が連絡するって言ってくれていたけど、とてもそんなことお願い出来ない。


琴美…元気かな?会いたいな。


 帰り道の駅について、俺はまっすぐ帰路に。とにかく疲れやすい…これもテレポートの影響かな?


 お見舞いに行こうかな?友奈のとこに。もちろん霊界の通信ってこちらから言えない。まずは体調を最優先に。


花💐でも持っていこうかな、それともケーキ🍰、


両方だな。正解は!!じゃ、行ってみよう。


※ピンポーン※


※………※


あれ、いないのかな?いきなり来てマズかった?


暫く待ってみて、いないならこれ持って帰ろう。



……………………いないのかな?……………………



とりあえず帰るか。友奈の両親は仕事だもんね。


ちょっと心配ではあるが…


【ルック〜お留守番ありがとう、ただいま~】


※キューン🐕※


【うーん、ルックは暖かいね〜】


※キューンキューン🐕※


【おかえり〜早かったね】


聖奈帰っていたのか?早いな。


【聖奈、どうしたの?体調悪いの?】


【…ううん…大丈夫】


顔色悪いって、普通じゃないよ。


【大丈夫じゃないよ。横になって】


【零、あのね、破産だって…】


 破産?これって、あのこと?…琴美の教えてくれたことの最初か…だとしたら合ってるな。


【どこが?】


【私の職場、今日いきなり通告された】


え〜〜〜〜〜やっはそうじゃん!!


【この前、急遽中止になった海外への出張と何か関係があるのかな?】


【その余波が来たのかもね。みんなと突然だからパニックに。私も…それ、何?💐?】


あっ、そうか!!これは…


【うん。お疲れ様。はい】


【綺麗〜何で?破産のこと知ってたの?】


 知ってはいたけど、さすがにこれは言えないし、この💐友奈のお見舞いのだったけど、ここは、


【違うよ。俺達を探してくれていたお礼。何もしてなかったでしょ?はい、ケーキ🍰もあるよ】


【嬉しい!!零から💐なんて、大事にしようっと!!ケーキ🍰も、これみんなのもあるの?】


家族分あるか…とりあえずそうしとこう。


【あるよ。後で食べようか?お袋もそろそろ帰ってくるかな?】


【零から💐貰っちゃった、ルック!!】


※キューン🐕※ ルンルン♪


【そっか〜ルックもありがとう!!】


立ち上がった聖奈が、フラフラっと、危ない!!


とっさに受け止めて、危なかった~


【零、ありがとう…】


ドキドキ💗俺の心音聞こえてない?聖奈に。


【無理すんなよ、横になって】


聖奈をそっと寝かせて、とりあえず花瓶に花💐を。


久しぶりの部屋…いい匂いがする。


反対に俺は汗臭いな…


 聖奈、ショックだったんだな。こういうことあるから仕事もそんなに…やはり休みはしっかり休み、有休もしっかり取らないとね。


【明日、有休っていうか有給休暇使えば?あっ、破産ならもう行く必要ないか…】


【とりあえずたくさんある私物の整理に行くよ】


 そうだよな…それに聖奈、無理して、ずっと俺達を探していたから。さらに破産とは…


 これって、聖奈に仕事を辞めたほうがいいって警告なのかもな?


 琴美の教えてくれていたことが、既に始まってる。だとすると…


【友奈も体調崩して休んでるでしょ?】


【うん。知ってる】


【二人共、すぐに再就職なんて行動せずに体調整えてからのほうがいいよね?仕事で人生決まるわけじゃないから】


【零、慰めてくれてるの?】


【何と言うか、心配なんだよ、聖奈のこと。何かと無理するじゃん】


【ありがとう、優しいね。たまに体調悪くなってみるのもありだね!!あのさ、支えてくれてありがとう。汗臭く無かった?私…】


【全然、聖奈が汗臭いなんて思ったこと一度もないよ。この部屋もいい匂い…って何言わすんだよ】


聖奈は、小さな声で、


【…ちょっと照れるね、こうしていると】


 そんなこと言われると、俺の鼓動、聞こえるかなってくらい、凄いことになってる…







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