25話  久しぶりの旅行 4


毒見役のポチ(プードル)だが、匂いを嗅ぎ分ける才能があり、無臭だとしても仕込んだ人間の匂いも嗅ぎ分けるので重宝している。



1回吠えると人間の唾が混入されている、2回吠えると睡眠薬、混入で、3回吠えると毒薬混入、4回吠えると媚薬だ。



ポチが吠えた!4回吠えた。媚薬で近くに犯人が居ることを表している。

ポチはいつもは、可愛いいのですが唸り声を出し、女の周りをウロウロしながら吠えた。



執事セバスチャンが給仕係の女を羽交い締めにしてホテルの支配人に説明し連行してもらった。

良くある事なので、手際がいいのだ。


ヴィヴィアンは怒っていた。私が居るのに手を出すなんて信じられない。



食事が終わりコーヒーを飲んでいると、ふと、シェーン公爵は亡くなった。彼女、ルージュ男爵令嬢を思い出していた。


ルージュ嬢の事だが、見た目は可愛らしい、お嬢様だが中身は性格が悪かった。それが原因で殺されたと推測していた。


ルージュ男爵令嬢が亡くなって、1週間も海に浮かんでいたようです。


ヴィヴィアンは色々噂話を聞いていたが彼は、ルージュ男爵令嬢に夢中でシルビア侯爵令嬢には見向きもしなかった。婚約解消を考えていたようです。



そう彼、サミエル子爵令息がトイレから戻ってきたのに彼女、ルージュ男爵令嬢は戻ってこなかった。



それが不思議だった、ルージュ男爵令嬢を彼は、なぜ探さなかったのか?

シェーン公爵に給仕係りも一緒に探したのだから、なのに見付からず。



それにルージュ男爵令嬢の装いが、何時もと違い淑女が着るに相応しい御召し物で、振る舞いも優雅で貴婦人でした。



お顔は、お化粧しているのに普通なんです、ルージュ男爵令嬢は美少女なのに、あっ、たまにお化粧しないほうが綺麗だったりする女性がおられますから、ルージュ男爵令嬢もそうなのかもしれませんね、身振りに気品溢れる趣が溢れていました。



今思えば、別人のような所作でした。




1週間後、海辺に打ち上げられた溺死体を見付けて警察で根掘り葉掘り尋ねられて俺達は全員、疲れ果てていました。



俺は、サミエル子爵令息を疑いました。彼ならできるはずなんです、彼女を海に落として立ち去ることが、ただ普通に落とすと、スクリューに巻き込まれてバラバラになるはずだ。



打ち上げられた死体は海に一週間浸かっていたが、バラバラではないから船から落ちたのではなくて、先に殺してヨットで運んで捨てたのか?だが、彼女は確かに船に乗っていた。

死体は腐敗が酷く、本人確認は難しく着ていたドレスでルージュ男爵令嬢と断定したようだ。





シェーン公爵は新聞売りのマイクとヴィヴィアン3人、ユートピア御用達の紳士服でスーツのオーダーするのに、全身メジャーで計ってもらっていた。マイクのスーツは明日までに完成するよう頼んだ。



普通、金貨1枚だが10枚の約束で明日には出来上がる予定だ。



金貨10枚でマイクのスーツを作るのは、ユートピアホテルでパーティーに参加するためだ。



ルージュ男爵令嬢は、溺死とは思えない海に落ちる前に死亡していたと憶測している。







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