創作色々論
麻田 雄
第1話
「WEB小説始めてみたいと思うんだが、設定何が良い?」
友人の
そもそも、今すべき話では無い気がする。
いや、それを言い始めたらこのクリスマスイブという日に、三十路手前の男三人が集まってする話など何も無いのだが……。
「そもそも小説書ける文章力あるのかよ?」
俺は赤坂に目もくれず、炬燵に入り、寝転がり、漫画本を読みながら答えた。
ここは赤坂の家なのだが……。
「取り敢えず、何かに転生とかさせとけばいいんじゃね?」
俺と同じく適当に答える
沼田は既に寝そうな感じだ。
「今更、何に転生させろって言うんだよ!もう転生先なんてインフレだよ!」
あくまで俺の”文章力”という話はスルーか。
なかなかふざけてる。
「そういう以上は何か案があるんだろ?言ってみ?」
大して興味も無いが、適当に尋ねてみた。
「無いな」
無いのかよ!?っと、心の中ではツッコんだが口にはしなかった。
だが俺は、少し気になり、体を起こして――
「あのさぁ。何のネタも無しに物語書くとか先ず無理だと思うんだが……」
「だから、それを考えてくれと言ってるんだ」
何だそれ?全部他人に丸投げ?舐めているとしか言えない。
馬鹿馬鹿しすぎて逆に新鮮だ。
「じゃあ、芋とかにしてみれば?」
かなり適当に答えてみた。
その後の展開など知った事では無い。
「芋か……」
赤坂はスマホを操作し始める。
「あるな」
あるのかよっ!俺はそれに驚いた。
芋に転生?どうすんの?芋だよ?
いや、芋という表現がいけなかったのか?芋〇とかなんとかは在り得るし。
ちょっとムキになって考え始めた。
「じゃ、便座とかは?」
沼田が適当に言う。
なかなかにマニアックな選択だ。
赤坂はまたも調べ始める。
「あるな」
あんのかよっ!!もうツッコミどころしかない。
いや、性癖とか考慮すると逆に有り得るのか!?
クソ!予想外の展開だ。
「じゃあ、マトリョーシカは?」
俺は精一杯の変化球を投げたつもりだ。
さぁ、これはどうだ?
「あるな」
あるんかいっ!?むしろどんな物語だか気になるわ!!
完全に敗北した気分になり「そうか」と、答えて、それ以上の質問は止めた。
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