忌まわしき回路への牙

 誰かが言っていた。「絵を描くという行為には何の意味もない」と。

 誰かが言っていた。「絵を描くのは苦痛でしかない」と。

 誰かが言っていた。「絵を描く必要はなく出来たもので如何に金を稼ぐかが肝心だ」と。


 くだらん主張だ。それで誰かの好きを奪っていいはずがなかろう。

 誰かが命を懸けて生み出した作品を食い潰し、踏みにじり、質の悪い模造品に埋めながら価値がないとほざく。全く、それで悲鳴を上げる同胞が、その生みの親が、幾らいると思っている。

 いや、あの低脳共にそんな考えなどないか。自分の“作品模造品”が他者に真似られたと怒るくせに、自らの行いは何とも思っていない。つくづく勝手な奴らよ。


 食われる同胞は電子の筆跡デジタルの人物が多い。私は現実の粒子アナログの獣であるから、食われるのは当分先であろうと自負している。しかし、悲鳴は遠く響くものだ。いつ何時誰が食われようと、もう驚いていられない。

 しかし、しかしだ。このまま食われるのを待つだけというのは余りにも惨めだ。生みの親、描き手達も憤っている。

 その思いを表す適任となれば、やはりお鉢は我らに回ってくる。それでいい。幾らでもぶつけてくれ。その思いの通り、私はここで牙を剥くよ。


 「私の龍はお前らAIには描けやしない」?そりゃまた大層なことを。

 しかしその通り。やはり貴方がた人間は面白い。いやはや、私の作り手があの文字通り硬い頭の機械共でなくて、本当に良かった。




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 最近、絵師界隈で物議を醸しているAI生成画像の話題。私もメインの創作媒体はイラスト(とも言えない何か)なのでかなりモヤモヤしています。殴り書きで読みづらいかもしれませんが、その思いをこの場で書かせて頂きました。


 私達の作品は、奴らに書/描けやしない。

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