スタート
真田真実
第1話
よーいスタート!
私は弾かれたように走り出す。
暗く長い道の先には小さな小さな光が見えている。
なぜスタートの掛け声と共に走り出したのか、あの光のさきには何があるのかもわからないまま私は両手を振り全力で光へ向かっている。
暗闇の中、しばらく走り続けていると背後からひたひたと私の後を追う足音が聞こえてきた。
なぜかその足音の主に追い抜かれてはいけない気がした私は腕をさらに振り足を上げた。
ひたひたひたひたと足音が追い上げてくる中、私のすぐ前を走る気配に気づいた。
私は前を走る者にことの次第を尋ねることにした。
私は勢いよく腕を振り上げその気配に追いつけるよう必死になって走り続けた。
やがて小さな小さな光が人ひとりくらいの大きさになると私の前の者はその光に吸い込まれるように入っていった。
私は息も絶え絶えに光に近づこうとする。
が、しかし…。
私は最初のスタート地点に立っていた。
よーいスタート!
私は仕方なく走り始める。
まだ状況は飲み込めていない。
スタート 真田真実 @ms1055
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