第5話


春視点


私は昔、こっちに引っ越してきた頃だった。


バイト先には虐められて高校では色んな人に悪口を言われてた。


辛かった。家に帰る訳にも行かないし、もと中学の友達も居ない・・・一人で心が折れそうだった。


そんな時に扉のインターホンがなった。


「き、きみは?どうしたの?」


それはお隣さんの小さい男の子だった。


「鳴き声が聞こえたから」


「えっ?」


は、恥ずかしい。顔が真っ赤になる。そんな私を察した彼は


「大丈夫だよ。たまたま壁に耳当てて聞こえてたから、俺しか知らないよ」


「そ、そうなんだ」


「お姉ちゃん・・・それより泣かないで。」


「・・・っ」


「ねぇ、それよりゲームしようよ」


それから彼は私の家に来てよく遊ぶようになった。


ずっと、今まで一人だった私に彼との時間が増えていた。

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