あの綺麗な滝の写真

学生作家志望

写真家

ある山中に大きな滝があった。赤い橋の下には川があり、その川に水が流れていく


観光客はこの滝を橋の上から写真に収めていた。


僕の家族もスマホを持って写真を撮る。


橋がカタカタ音を鳴らす、また人がやってきたようだ。

その人達の方を見るとやはりまた滝にカメラを向けている


段々人が増えてきて僕たちは山を降りることにした


山を降りる時も、山を降りた後にも旅の中では沢山の写真を収める───


旅が終わる頃、とうとうあの綺麗だった滝の話は誰もしなくなった。誰もあの写真を見る人はいなかった。


旅が終わって数年後、ふと思い出してこの小説を書いている今、写真家のように楽しそうに、丁寧に撮っていたあの時の写真は今、


アルバムにもカメラロールにも入っていない

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あの綺麗な滝の写真 学生作家志望 @kokoa555

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画