僕たちはジャイアントキリングを起こしたい───
学生作家志望
前半戦
第1話サッカーを全く知らないサッカーの監督
「せんせ!せんせ!」
意識がまだはっきりしない中、この声だけが聞こえていた。
しばらくした後お腹をポンポンと叩きながらまた
「せんせ!せんせ!練習!」
「あ!!!」
思い出して飛び起きた
さっきまで俺のことを必死に呼んでいたのはこのスポ少の小学6年生のキャプテン、佐々木蒼だった。
「あ、そうか、今日練習、か。」
「そうだよー先生早く起きてよ!もうみんな集まってるよー。」
「ああそうだったか、それは本当にごめん、すぐ行く」
「はーい」
ああ、そうだったか。俺はすっかり今日が練習日なのを忘れていた
2階の寝室から俺は1階に降りた。
俺の家からみんなで練習のために借りていた学校の校庭までは近かった。だから家にいる妻に見つからないようにそっと家を出ようと思ったが、俺の思惑通りにはいかなかった
俺が玄関のドアを開けようとした時には後ろに妻がいた。
「あんたさ、子供たちに呼ばれて練習しに行くってどういうことよ?」
「あ、、えと。」
もう何も覚えていない、でもとにかくとんでもない怒号が俺に向かってきたのは間違いはなかった、だが、時間のことを考えてか、説教はすぐに終わった
確かに、妻の言い分もわかる
だが今日が練習日だということを忘れるくらい俺は昨日の夜にサッカーについて勉強していたのだ。
そう、ちゃんとした理由はあったわけだ。
反論ができる空気じゃなかっただけで、反論しようと思えばできたのだ!
別にびびっていたわけじゃない。反論しようと思えばできたのだ!
ただここで口論をしても子供たちに迷惑をかかけるだけだと思ったから反論をしなかっただけである。
段々と校庭が見えてきた、子供たちは既にいつものウォーミングアップを始めていた。
俺はそんな子供たちを見て急に罪悪感が湧き、俺は走って校庭に向かった。
俺が校庭に入ると同時に子供たちは蒼の挨拶に合わせて「お願いします!」と言った
「はい!お願いします!」
遅刻したことは後で謝る事にしよう...
俺は校庭の隅にあるベンチに座り、いつものサッカーの本を開いた。
ああもう、やっぱりルールが全然覚えられない、まじでどうしよう、もっと勉強しないと恥かいちまうよ...まじ、何で俺がやるとか言っちまったんだろ...
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