ゴールゴールゴールゴールゴーオオオオオオオオオオオル!!!

【偽】ま路馬んじ【公認】

最終話

 さあ全日本逆張りグランプリがいよいよ今年も始まりました!

 出されたお題に逆張りで回答してその面白さを競うこの競技……地方選を勝ち上がってきた選りすぐりの八名が! 今! 雌雄を決するうー!!!


 それでは挑戦者の皆様! ご入場ください!


 まずは大阪府からこちらの逆張りチャレンジャー!

 これぞなにわの逆張り道! 彼が一番最初に逆張りをしたのは小学生の頃! 隣近所に住む不登校の幼馴染に、「行きたくないなら行かんでええやん!」と、親や教師とは真逆のことを言って元気づけたことが始まりです!

 山谷選手の入場です!


 山谷選手! このグランプリに対する意気込みはありますか!?


「いや、意気込みちゅうか……え? 八人おる予定なん? 控室、わい以外おらんかったで?」


 ――はい?


 え? ちょっと……すみません、スタッフに確認してみます。ええ……会場には来ていたと……ええ……それから見てない?……ええ、はい……。


 ――あ! まさか!


 ちょっちょっと! 他の七名、どうやって予選を勝ち上がったか確認してくれ! 至急だ! ……うん、うん……やはりそうか……!


「え、すんまへん。何が起こっとるんですか?」


 えー、……状況をご説明しますと、他の挑戦者の皆様方は、しっかりと、この会場に、一度は足を運ばれたようです。入場のチェックもスタッフが確認済みです。そこは間違いありません。ですが……。


 他の皆様、【グランプリにあえて出場しない】という逆張りを行ったものと思われます。


「は?」


 そして予選大会も、皆、この方法で通過しておりました……。いやあ……たまげましたね。


「それ通す運営アホちゃう? え? ちょまって? ほならその方法が予選でまかり通ったっちゅうことは、そら本選でも有効な手段になるんちゃいますの?」


 確かに……【出場自体を逆張りする】なんて手法は強い。強すぎですよ。やろうと思ってもできるもんじゃないですよ。普通に考えたら失格ですもの。


「でも、他の七名はそれをやってのけた……ということは……」


 ええ、そうですね……。

 残念ですが……。




 ――全日本逆張りグランプリ! 優勝者、山谷選手ーーーーウウウ!


「ええ……? なんで?」


 いや八名中七名もの出場者が行うことなんて、もはや逆張りでもなんでもないでしょ。ていうか普通に失格ですよ。本選はテレビ中継もしてるんですよ。他の方々はちょっと、社会というものを舐めすぎです。


「いやまあ……そらそうか……釈然とせぇへんわぁ……」


 まあ、そうですよね。それじゃあ、せっかくなので、一問くらいお題に挑戦しときます?


「せやな! ここまで来たし、わいは実力でも正真正銘のチャンピオンっちゅうところを見せたいわ! たのんますわ!」


 ……うーん、いえ、やっぱ、やめときましょう。


「はあ!? なんでやねん!」


 万が一スベった場合、目も当てられないからですよ。


「その逆張りが一番エグいて……」




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ゴールゴールゴールゴールゴーオオオオオオオオオオオル!!! 【偽】ま路馬んじ【公認】 @pachimanzi

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