第4話 Chapter(章) 2

 ある日の朝……。


 家の裏側をしばらく歩く。

すると岩が転がっている所が多くなってきた。


 この山、バリスタンざんを登ってきたガイラファミリー。

早朝からここに向かって歩いてきた。まだ陽は低い。


 「ミランダ、この辺にしようか。」

「そうですね。朝食を広げましょう。レイラ、ライラ。2人も手伝って。」


 今朝は朝食を済まさずに出掛けてきた一行。

岩の無い所にマットを広げてバスケットから朝食のサンドイッチを取り出す。そして小さな水筒が2つ。

夫婦で1つの水筒、もう一つは姉妹。

それぞれが水を一口ずつ口にすると、皆サンドイッチを頬張っている。


 「レイラ、ライラ。魔術は上達してるかな?」

「パパ。私、杖を使わなくなってから、バーストを鍛えてます。」

「ほう。レイラに持たせた杖は使っていなんだね。バースト系魔術、そうだったか。ではバーストボールは出せるかな?」

「もちろんよパパ。……えいっ!」

赤い炎の球が遠くの岩まで飛んでいった。


 「凄いじゃないかレイラ。上手く意識をコントロール出来てる。もうパパみたいに剣を持ってもいいかも知れんな。……で、ライラの魔術は上達してるかな?」

ライラは父親に言われると、立ち上がり、そばの小さな岩をムーブで浮かばせて、遠くに飛ばす。すかさずその岩をサンダー系魔術で砕いた。


 「どう?パパ。ムーブ系とサンダー系を鍛えているの。」

「レイラ、ライラ。その調子だ。しっかり魔術を鍛えて自分の身は自分で守る。妖魔を1撃で消し去れる様に頑張りなさい。」


 「あなた。私が見る限り、2人は別の魔術を得意としてるみたい。あなたも多くの術式を教えてあげてくださいね。」


 ミランダは隣のガイラにサンドイッチを手渡した。

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