第1話 『奴隷世界で革命を。』Ⅱ
「事情は聴いてある。とにかく国外に…」
「おい居たぞ!!」
シベリアさんはそこそこ入る最低限の必要な物をまとめた
俺の為に名誉も地位も捨てる覚悟を決めてくれたのか。お人好し過ぎるぜ。
他にも敵兵を抑えてくれる門番がいてくれて皆のお陰で門の外に出られる所まできた。
しかし、待ち構えていた。犯人は団長と副団長だった。
裏切りとして俺と共に首はねの刑とされ王の御前に連れてこられた。
シベリアさん、その他の協力者は全て。
王は告げられた。彼女の力を利用するがために団長が彼女の親を殺したこと。
彼女は苦しみ、王に怒りと憎しみを向けていた。
「なあシベリアさん。もし逃げられるのなら、聖騎士を失って自由になれるのならどうしたい?」
彼女は国民の、そして戦争で失った彼女の親のためにも聖騎士を続けないというプライドがある。共に出てくれるかどうか…
「もし、親が他の道を許してくれるのなら外の世界を…そう鏑木の言う世界を見てみたい。」
決まったな。
俺の腕輪式デバイスが「根源を検知しました」という音声と同時に俺は大型バイクと得意とする大鎌、そして俺の普段の戦闘用装備を腕輪から取り出した。
「こっからは反撃じゃあ!!」
俺はバイクに彼女を乗せて王の御前を堂々と駆け回り、敵兵を薙ぎ払った。
鎌の摩擦でカーペットに火を点けて狼煙を上げた。
背を押された協力者たちは兵士に立ち向かい聖騎士団のみが敵勢力となった。
俺は壁を駆け、聖騎士の得意とする神の力も一本の鎌ですべて弾き返した。
目標は王。今回の
現在時点で主人公が現れないということは夢の主はこの国の滅亡と平和による復興を求めている。
この
「テメェはやりすぎた。ちゃんとあの世で償えよ馬ぁ鹿!!」
そう吐いて王を真っ二つに切り裂いた。
王の身体からは青く淡い煙が立ち上り、消えていった。
協力者の兵士らは察して「行ってこい。あとは任せろ」と背中を預けさせてくれた。
感謝する。
一応強い勢力は潰しておいたからどうにかなるだろう。
彼女の最後に顔を合わせたいということで彼女の親が眠る墓に向かってバイクを走らせた。
「悪い。まだ...まだ受け入れられないんだ。」
いつもは人前で涙を隠す彼女が大泣きしてしまった。
よしよし、悲しいよな。
しばらくして彼女は泣き止んだ。
そして俺に告げた。
「鏑木くん。私も連れて行ってほしい。」
もう戻れないことを知って彼女はついて来ようとしている。
でもそれが彼女の決断なのなら俺は否定しない。
「そんじゃ、行くか。」
「ああ。」
俺らは外に出るゲートに潜った。
霞む彼女の目に強い光が立ち込み、その光が晴れた場所には近未来の巨大施設が広がっていた。
周囲には作業服や白い保護具を身にまとった人がわんさかいてシベリアにとっては見たことのない新しい世界だった。
「ようこそ、俺らの世界へ。
そして俺が所属する組織:エスポへ。」
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