皇子に転生したら国が滅んだ件
珠洲気流
第1話
「アレッジド皇子。我らに命じください。皇国を取り戻せと」
目の前には傅く40ほどのヒト型。
その全てが神妙な面持ち。何やら覚悟を決め一様に胸元につけた同じ紋様を握りしめている。その紋様は既に滅んだ国の皇家の家紋でその行動は皇族へ向ける忠誠の証。
「この命は全てリボー皇家のため」
彼ら全ては同じ大義の元に集った者共。
「我ら皇家親衛隊、再興の礎になる覚悟はできております」
彼女らは皆夢追い人。
彼ら彼女らが幸せだったあの時を取り戻すために抗う者共。
それらを前に私はゆっくりと口を開く。
「いいだろう。貴様らの覚悟は受け取った。その血肉、須らく利用し尽くしてやろう」
私の言葉に歓声が沸く。
目の前の者らはまるで目的を達成したかのよう。ある者は奇声をあげ踊りだし、ある者はむせび泣いている。
それらにとって私の言葉はそれほどに重いのだろう。
沸き立つ彼ら彼女らに元皇子として正しく命令を下す。
「アレッジド・トムロルフ・リボーの名において命ずる…
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