第15話 後味の悪い夢

気怠さを夏の終わりのせいにして


一日中ベッドの中


夏が楽しかったのは


夏が何か冒険を孕んでいた頃だ。


いつから毎年やってくる夏は


乾いた熱風だけ残して行くようになったのか。


なんとなく 地図を見なくても


人生を歩いていけるようになってから。


夏は果実を熟させて


秋の上に落とすだけ。


誰も食べることもない


甘すぎる腐りかけの果実を。

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