第14話 みぃつけた


小さな羽虫が


灯りに向かうように


その人の内部に潜む。


刹那への衝動が


私にはとても


美しく感じるのです。


それは


目をそらして


行き過ぎてしまえないほどに。


濃密に甘い


血の匂い。


その人は


気がついているのでしょうか。


鬼に見つけられてしまったことに。

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