第10話 マジックアワー

海の底のように蒼い夕暮れだった。


まだ恋もしらない人の


昨日の夢のように


清らかで透明な蒼い帳が


昼間の熱が残る街に


音もなく降りた


もしかしたらこれから


奇跡のようなことが起こるのかもしれないと


人生に疲れた者たちでさえ思った。


そんな蒼い夕暮れが


夏のはじめにたまに訪れることがある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る