第12話 メタモルフォーゼ-蛹の中の幼虫は安らかなのか?-
青虫の眠りが覚めたら
すでに華麗なる蝶なのだという夢を
蛹の中のモノはみていない
そのような約束を神はしない
殻は柔らかすぎて鎧にはならない
あやふや過ぎてゆりかごにもならない
ただ、閉じるという意思表示にすぎない
閉じた世界にも
外界の音は明確に透けて届く
そのものは
不安と恐怖にのたうちながら
粛々と時を編む
内に溜める精神だけが
この変態の糧なのだ
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