パンドラ世界のネガティブ情緒
梅星 如雨露
第1話
序
ゼウスは人類の是非を問うために立ち上がった。
神槍を見立てたダーツを回転する巨大な地球儀に向けて放つ。ダーツが地球儀の表面に音も無く突き刺さった。
ゼウスはそれを認めると、身内から溢れ出ん決然たる気分は落ち着きを取り戻しふいとどこかへ出ていってしまった。
ゼウスは檄しやすい反面途轍もなく気分が変わりやすいのだ。
すでに、頭の中では頂き物の高級豆を挽いて淹れた珈琲のことでいっぱいで、当然豆は自分で挽く派だった。
ゼウスが再び人類の是非について考えることはなかった。地球儀に突き刺さったままのダーツのこともすっかり忘れてしまった。
しかし、そもそも神の気まぐれに大した意味はないのだから、それをとやかく議論する余地など存在しなかった。
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