続・怪奇日常

望月おと

episode:1 【続】


 前作で終わり、のはずが……。


 こうして「続」を書いているということは──ということです。


 いいご縁では決してありませんが、こうも縁がある人もなかなか居ないのではないか……とも、思うのです。


 望んでいても、待っていても、話のネタはやってこないものです。それが、私の場合は望んでいないのに向こうからやって来る。


 先日も不思議な出来事がありました。


 それは、自動販売機で飲み物を買ったときのこと。暑い日だったので、部活の練習に励んでいる子供たちにスポーツドリンクをと思い、お金を入れて欲しい商品のボタンを押しました。


──ガゴン……


 出てきたのは、欲しい商品の右隣に佇むブラックコーヒー。首を傾げながらも、人数分買わないといけないので、もう一度お金を入れ、欲しい商品のボタンを押す。


──ガゴン……


 今度は、ちゃんとお目当てのスポーツドリンクが。なんだ、入れ間違えたのか。そう思いながら、またお金を入れ、ボタンを押す。


──ガゴン……


「……え?」


 出てきたのは、左隣の炭酸ジュース。さっきは右隣、今度は左隣。「……なんで?」と呟きながらも、次々飲み物を購入していきました。


 結果、8本中4本がスポーツドリンク、残り4本はブラックコーヒーと炭酸ジュースが2本ずつ……。


 間違えて入れたにしても、こんなに間違えるものなのか。それを引き当てた私。運がいいのか、悪いのか──


 私の怪奇的な日常に終わりなどないのかもしれません……。




「続」 【完】


 

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