第25話
崖を降りたら、祠はすぐに見つかった。
古びた気持ちの悪い祠。
ルシアちゃんの予言どおりのだった。
彼女が言うには、この真下に入口があるという事なので、俺は年長者の意地を見せ、サッと手で土を掘り返した。
すると見事、ダンジョンの入口らしき整った穴がニュッとその姿を現した。
どうやらここが、ダンマスの新しい隠れ家らしい。
「ダイシさん。ダンジョンに片足だけ突っ込んでスキルを使えば、本当にルールを守ったことになるんでしょうか?」
「わ、わかんないけど……。でもまぁ、やるしかないでしょ」
「そ、それもそうですね。それじゃ、私たちはもう少し奥まで先に進みましょう」
目的地には無事到着したが、俺にはダンジョンへ突入する前にやらなければならない事があった。
なのでサツキちゃんに先導をお願いし、女性陣には先にダンジョンの中へ入ってもらった。
スキルはダンジョン内で使わないとご法度だというのは周知の事実かと思う。
まあ、すでにこんな状況になってしまっている以上、今更そんな細かいことは気にしなくていいのかもしれない。
……俺はこう見えて慎重な性格なんでね。
やはり公でダメと言われていることは極力したくないと思っている。
さっきも言ったが、国際本部の連中がまた衛星ビームを撃ってきたらとても困る。
なので、その対抗策は事前に打っておかなくてはならない。
女性陣には事前に話をつけておいた。
俺の案は全員から概ね、同意をもらえた。
自分で言うのもなんだか、とても理にかなったいい対抗策を考えたついたと自分でも思っている。
さて、と……。
俺の右足は確実にダンジョンの入口に入っている。
これなら、別にスキルを使っても、とやかく言われる筋合いはないよね?
では、いきます!
「うおおおお! 応・報!!」
今まであまり効果範囲をイメージして使用したことのないスキルだったが、今回はしっかり守るべき対象を意識して【応報】を使った。
正直できるかどうかの不安はあった。
ぶっつけ本番だったから、うまくいかない可能性も当然にしてあった。
だが、どうやらうまくいったようだ。
……いや。
ちょっとやりすぎちゃったかもしれない。
:なんやその【応報】www
:デカすぎワロタ
:効果範囲おかしすぎww
:オーロラじゃねぇかw
:空が全部チカチカする
:これもう絶対バレてるよ
:目立ってしょうがねぇww
:ダイシ、アウトー
:でも【応報】でバリアって確かにアリだね
:おっさんにしては妙案だ
:カウンタースキルだしな、【応報】は
:跳ねっ返してズドンだな
:抑止力にもなってる
:やるじゃないか、おっさん!
めずらしく視聴者さんたちが俺の頭脳プレイを褒めてくれている!
ふっ。俺だって伊達に37年も生きちゃあいないからな!
スキルの応用くらい、ちょっと本気出せばできるんだよ!
「よし、これで空からの攻撃はなんとかなるだろ」
効果時間がどの程度なのかは今のところわからないが、感覚的には【応報】を使っているという意識を切らさなければ、大丈夫なんじゃないかという気はしている。
ただ、それも勘に頼った話だ。
確証はないので、とにかく一刻も早くダンマスを探して合流しようと思う。
ダンジョンの入口から中に入ると、すぐに螺旋階段があった。
俺が応報バリアを張っている間に、仲間たちの足音がすでに響いてこなくなっているという事は、彼女たちはもう下の階層まで辿り着いたと考えていいだろう。
地上から地下1階までの距離はそう遠くはなさそうだ。
「んじゃ、サッサと降りちゃいましょうかね」
俺は軽い足取りで螺旋階段を下る俺。
タンタンタンっとリズミカルに。
円柱の壁も利用しながら軽快に降りていく。
タンタンタン
タンタンタン
タンタン、タン……
「あれ、おかしいな……」
案外長いな。まだ着かないのか。
タンタンタン
タンタンタン
タンタン、タン……
「いや、流石にもう着いてもいい頃合いだろ」
道、間違えちゃったのかな?
実は降りる途中に出口があったとか?
早く降りたから見逃した可能性がある。
ふむ。ちょっと壁を注視しながら、一旦上に戻るか。
カツカツカツカツ……
カツカツカツカツ……
カツカツカツ、カツ……
「いや、もう入口まで戻るくらいの距離は登ってきたハズなんだけどな……」
螺旋階段を登る途中に出口らしき穴ははなかった。
というかそもそも。
入口すら、なくなっていた。
:無限階段編キタコレ
:なんというトラップ……
:あーこれ、侵入者対策か
:ダンマスもいよいよビビったか
:ややこしいダンジョンみたいだね
:謎解き系ですか
:この手のトラップは見た事ないな
:誰かヘルプ
:みんなどこいっちゃたのー
:一生出られない可能性も微レ存
か、勘弁してくれよ。
俺、謎解きとか超苦手なんだけど……。
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