出来過ぎ魔法師は出来損ない魔女が気になるらしい

@pa_pico

第1話

俺が生きる世界は魔法が全ての世界。ずっと昔に神から与えられたとされる魔法は現在まで衰えることなくこの世界で依然として威厳を放っている。だが、誰もが魔法が使えるわけではない。生まれ持った魔力が一定以上なければ魔法は使えない。魔力は魔法の源であり、その量や性質は魔法と大きな関連を持つ。魔力はほとんどが遺伝で決まると言われている。そのため、魔力量が多い一族が貴族となっていることがほとんどである。俺の一族であるシャルティー家はまさにこれである。シャルティー家は海に囲まれたメア王国という美しい国が誇る世界に轟く名家の一つであり優れていたとされる魔法師や魔女が多くいた。


この国ではその年、15歳になるものは冬にそれぞれが住む地域ごとで王国が指定した教会に集まり魔力量を測る儀式を行う。これは、まれに魔力を多く持った平民が現れるためである。魔力は貴重な才能であるため魔力を持った平民やその家族には王国から援助が行われる。そして貴族でも平民でも魔力があるものは魔法学校であるトリザー学園に入学する。そうして4年間寮生活を義務付けられ、魔法を朝から晩まで学び一人前の魔法師、魔女となる訓練をするのだ。


現在16歳の俺は当然トリザー学園に入学し学園生活を始めていた。


「ジャルダ〜ン!何で起こしてくれなかったんだよ、また朝ごはん食べ過ごしたじゃないかよ!」


朝8時20分、朝礼が始まる10分前に教室に飛び込んでくるとルームメイトであり幼馴染であるギルティ・ファシラブルが大声で文句を言いながらこちらに来た。


「一度は起こしたさ、だが寝言しか返ってこなかったから諦めたんだよ。」


席に座ったまま言い返した。


「何度でも起こしてくれよ!朝食食べれないと元気がでないんだよぉ」


隣の席で元気がないアピールをしているギルティを横目で見ながら「十分元気だろ」と言い放った。


そんなこんなをしていると朝礼の開始の合図であるチャイムが鳴り響き出した。










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