第3話 昔話

昔々――今から500年も前のお話です。


マッシュ・ド・ビルクは アリーサ姫の使用人でした。


マッシュはアリーサ姫に 密かに恋をしていました。

また アリーサ姫もマッシュに恋心を抱いていました。


二人は恋人だったのです。

勿論 それは二人だけの秘密でした。


しかし―――マッシュとアリーサ姫が恋人だと気付いた国王は かなりお怒りになりました。


そこで国王は アリーサ姫をマッシュの仲を引き裂こうと考えました。


国王の勝手な決断で アリーサ姫は16歳の若さで 隣国のウィリアム王子と婚約を強いられ マッシュは 使用人を解任させられたのです。


「…私 結婚なんてしたくないわ!!」

「しかし 姫様―――」

「マッシュ。本当は私の気持ち…分かっているんでしょう?」

「姫様………」


「愛の無い結婚をさせられる位なら 私もマッシュと一緒に 城を出て行きます」

「姫様…それは駄目です。残された国王や城の者 それに国の民を裏切る事になります!!」

「…それでも 構わないわ!! 私は…私は貴方を愛しているから―――!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る