第2話 新しい友達

―お昼過ぎ―


「ふぅ……疲れた~(始業式って 校長先生の話が本当に長いんだから…)」


始業式も無事に終わり 生徒たちはそれぞれ帰宅し始めた。


「(さて 私もそろそろ帰るかな……)」


―――すると。


「有栖川さん…だよね? 私 206号室の兼山かねやま 加奈子かなこ♪ 良かったら一緒に帰らない?」


優しそうな女の子がありさに声を掛けてきた。


「えっ?貴女隣の部屋だったんだ…!? うん…いいよ」


…マッシュの事バレて無いよね??


ありさも兼山さんと一緒に寮へ戻った。


「…ただいま――」

「お帰りなさい。あっ 有栖川さん」

「はい?」

「貴女の部屋 確認したけど何もいなかったわよ」


「……えっ?」

「もう虫は逃げたのかも知れないわねぇ。今夜はゆっくり寝れそうかしら。また何か困った事があったら いつでも言ってね」

「はい…ありがとうございました」


「何か色々大変だったんだね?」

「うん…ちょっとね。でももう大丈夫だよ」

「そっかぁ…良かったね~。ねぇねぇ有栖川さん 」

「……ん?」

「有栖川さんのお部屋に遊びに行ってもいいかな?」


マッシュも出て行っただろうし…大丈夫だよね?


「別にいいよ」

「やったー♪ 鞄置いて来るね」


「(…これでやっと―――!!)」


…マトモな女子寮生活のスタートね!!

↑思わずガッツポーズするありさ。


「――流石にもう…居ないよね?」


ありさは そーっとドアに手を掛けた。


……キィッ―――。


「………えっ?」


あ……開いた!?

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