乂阿戦記 変身ヒーローの勇者様と魔法少女は○○○○○○○○○○○○
@goldj
第1話 乂阿戦記1 プロローグ+第一章- 赤の勇者雷音と魔剣クトゥグァ-1
変身ヒーローの勇者様と魔法少女はキスで巨大ロボを召喚する
-プロローグ
俺の名前は狗鬼漢児
本名じゃない。
とあるプロレスラーのポスターを見て思いついた偽名だ。
黒い宇宙の地球という惑星で普通に暮らしていたが、ある日トラックにはねられ剣と魔法の異世界に来てしまった。
今俺が来ているこの異世界は修羅世界スラル。
地球でいうところのヴァルハラだとも修羅地獄だとも呼ばれてる世界だ。
知ってるか?
宇宙ってやつは地球がある黒い宇宙以外にも別の宇宙があるんだ。
赤、青、橙色、白、黄色、灰色、桜色、緑、黄緑、黒、水色、紫、
全部で12色の宇宙があるそうだ。
スラルは灰色の宇宙に存在する世界だ。
不思議なことに宇宙空間は灰色で観測されるがスラルの夜空はちゃんと黒色だ。
ここは罪人や戦士が殺し合って死んだ後、生暖かい風が流れ生き返りまた殺しあう文字通り修羅地獄だったらしい。
本来はクトゥルフ神話で知られる外なる神や旧支配者に対抗する戦士を育成するための世界、または地球で人殺しの罪を犯した罪人を罰する地獄界なのだそうだ。
昔オーディンという神様が色んな戦士を呼び寄せ戦い合わせ訓練させたり、閻魔と言う仏様が罪人を裁くのに使ってたと言う。
だがそれももう昔のこと
今は戦士や罪人を生き返らせる生暖かい風は流れてない。
なんでも100年程前ラグナロクと言う戦争があり、その戦の影響で灰色宇宙の秩序が乱れ蘇生の風が吹かなくなったそうだ。
つまり今のスラルでは人は死ねばそのまま死ぬのだ。
それはさておき今俺の目の前では目を疑う光景が繰り広げられている。
一人の男が生身一つで巨大ロボや宇宙戦艦の軍勢をバッタバッタとなぎ倒しているのだ。
2メートル以上ある大男だ。
挿絵(By みてみん)
「グルァーーア”ッア”ッア”ッ!!」
男は獣のような咆吼、いや哄笑を上げて泣き叫んでる50メートルの大恐竜をブンブンとジャイアントスイングでブン回していた。
奴はそのまま恐竜をミサイルやビームを乱射してくる空の飛行戦艦に向けぶん投げた。
ものすごいスピードで迫る巨人にぶち当たり戦艦がものすごいスピードではじき飛ばされる。
さらに空中にいた他の戦艦にぶつかり、またまた激しく弾き飛ばされた戦艦が今度は他のそのまた別の戦艦にぶつかりビリヤードの玉突きのように連続追突しては大破していく。
信じられるか?
生身の人間一人に宇宙戦艦の艦隊が一瞬で全滅したのだ!
俺はその光景を放心したように眺めていた。
「あ、いたいた漢児アニキ!ここにいたら危ないぜ!はやく退避しよう!」
少年が俺に安全を促す。
「なあ雷音、あそこで暴れているのってお前の兄貴で間違いないか?」
「あ、うん…」
可愛い俺の弟分は気まずそうに顔をそらす。
今目の前で大暴れしているのはこの少年の兄で乂阿烈という男だ。
乂阿烈と乂雷音
乂の名字を持つ兄弟は全員で8人。
乂阿烈と同じくらいやばい乂羅刹、13歳、長女。
雷音の妹でポニテの美少女乂雷華、9歳、3女。
博識で勉強が大好きな天才児乂阿乱、7歳、末弟。
小さくて甘えん坊で一家のアイドル乂紅阿、5歳、末妹。
血のつながらない真面目人間の次兄、乂羅漢、13歳。
そして雷音の血のつながらない姉にして伝説の女神の生まれ変わり乂神羅、11歳次女。
今から話すこの話は俺とこの奇妙な家族の物語。
さてまず何から話そうか。
とりあえず少年乂雷音と少女乂神羅の二人について話そう。
第一章- 赤の勇者雷音と炎の魔剣クトゥグァ
これは雷音から聞いた話だが事の発端は雷音がとある洞窟で炎の魔剣を引き抜いたことから始まった。
雷音は母ホエルに内緒で冒険に出かけていた。
その時のお供は姉の神羅。
雷音は赤い髪を腰まで届くほど伸ばしてる少年だ。
ファッションで伸ばしてるのではなく長い髪をおさげに括り、まるで手足のように操る独自の武術を使う。
雷音は盗賊系のスキルと火炎系の攻撃スキルを持っている。
神羅はピンクの冒険服を着た少女で柔らかな髪をボブカットでまとめ、左右に赤い小さなリボンをつけてる。
回復や支援系の魔法を得意とし、魔法を使う時、髪から漏れ出す発光魔力がピンク色に輝く。
姉弟と言っても二人は血がつながってるわけじゃなく雷音が4歳の時、兄羅漢と共に雷音の家に養子としてやってきて家族になったらしい。
どうも雷音はあんまり自覚は無かったが、姉神羅の事が家族ではなく異性として好きだったようだ。
二人は兄たちが探索に向かったと言う、クトゥグァダンジョンと言う火山の洞窟に向かっていた。
そこには魔剣クトゥグァという炎の剣が隠されてるらしい。
かつて雷音の母親がナイアルラトホテップと言う悪い神様をやっつけるのに使ってた武器だそうだ。
雷音はその伝説の剣を抜いてかっこいいところを神羅に見せたかったのだろう。
先行していた二人の兄貴達は武芸の腕は立ったが、盗賊スキルや探検家スキルはイマイチで、ワープトラップとかに引っかかって何日かけても魔剣を見つることができなかったそうだ。
だが三男の雷音は盗賊スキルに長けていて、阿烈達が見つけられなかった炎の魔剣を見事に見つけだした。
見つけたとき魔剣は雷音の母が戦ったという邪神ナイアルラトホテップの亡骸に突き刺さっていた。
炎の魔剣クトゥグァを抜いた瞬間、ナイアルラトホテップの亡骸は炎に包まれ消えた。
そしてさらに炎は雷音を包み込み、雷音は炎の中に取り込まれてしまった。
だが次の瞬間炎の中から現れたのは龍化した雷音だった。
「えっ?・・・・雷音、あなたその姿は!?」
雷音の手足が赤い龍の手足に変わり、背には蝙蝠の翼、頭にはツノがはえ口には牙が生えていた。
「きゃあ、雷音が化け物になっちゃったよ!」
「いやいや落ち着け神羅!何とかなるかも!よっと!」
雷音が意識を集中すると彼の姿はたちまち元の人間の姿に戻った。
ほっと胸を撫で下ろす神羅
「弟が言ってたとおりだ。炎の魔剣は俺に龍変身の力を与えてくれる。母さんとその相棒の勇者はこうやって半龍の姿で七罪の魔女たちと戦ってたそうだぜ」
「魔剣だし無闇にその力を行使したら呪われちゃったりしない?」
「わからん、でも今はそんなことはどうでもいい。とにかくここから出ようぜ」
「うん、わかったわ」
2人は出口を探した。
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