健気な後輩は墓穴を掘りがち?

「というわけで、新年度の生徒会長に選ばれてしまいました!」


「唐突だな、水上みなかみ

「まあ、そりゃ知ってるけど……圧倒的な得票率だったみたいだし」


「はい。……全部、先輩方のおかげです」

「ですが、まだ若輩者じゃくはいものなので」

篠原しのはら先輩さえよろしければ、ぜひお手伝いしていただきたく……!」


「もちろん」

榎本えのもとたちが卒業したからって急に梯子ハシゴ外したりしないって」


「わ……良かったです!」

「実は、昨日からちょっと緊張していたので……えへへ」


「大袈裟だって」

「っていうか、そういうことなら他のメンバーも決めないとな」

「去年は榎本がほとんどワンマンでやってたらしいけど……」


「ですね、ですね!」

「さすがにそれは伝説すぎるので、頼れる方々を集めたいところです」

白雪しらゆき先輩も含めて、できれば身近な女性で……」


「……女性?」

「男子禁制なのか?」


「あ、えっと……その」

「お姉ちゃんの目が厳しいので……なるべく、男のかたは避けようかなと」


「あー……なるほど、確かに」

「って、ん?」

「だとしたら、俺もマズいんじゃ……?」


「ええと……まあ、はい。本当ならダメなんですけど」

「篠原先輩は以前のイベントでお姉ちゃんとも共闘しているので、まだ信用があったのと……」

「あとは、その」


「……?」

「他にも、何かあったか?」


「ぅ……わ、私が!」

「私が、お姉ちゃんにワガママを言ってみたんです」

「どうしても――どうしても、篠原先輩と一緒にいたいって!」


「――――――」


「は!?」

「って、違う、違います!」

「今のは大胆な告白とかじゃなくて、ただ篠原先輩と一緒に生徒会をやりたいって意味で、確かにお姉ちゃんにはいっぱいからかわれちゃいましたけど本当に違くて、といっても先輩のことが嫌いってわけじゃなくて、むしろすっごく憧れていて、素敵な方だなと思っていて、でもそれは恋愛感情とは必ずしも同じじゃないような気もするというか何というか――……」

「う、うにゃぁああ~~!!」


「……あー、えっと」

「とりあえず、一旦落ち着いた方がいいぞ?」

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