014:更なる闘争への招待

 雨のように降り注ぐ青い光。

 地面を滑りながら機体を動かし避けていく。

 すぐ近くで何かが蒸発するような音が連続して聞こえて。

 閃光が迸ってからでは遅い。予測して回避する。

 一秒にも満たない時間で、地面には大きな穴が空き。

 奴の攻撃を回避しながら、攻撃を続けた。


 全くと言っていいほどダメージは追ってない。

 全てがあの分厚い装甲に弾かれて――回避。


 連続して放たれた光が俺を追う。

 機体をブーストさせながらジャンプ。

 勢いよく宙を舞いながら、更にブーストして攻撃を避ける。

 バチリと左腕をそれが掠めた気がした。

 システムの警告か無いからそこまでのダメージではない。

 が、心臓をぞくりとさせるだけの恐怖を感じる。

 俺は心臓の鼓動を早めながら、目を動かし続けた。 


 次は何処だ。敵の位置は。

 攻撃のタイミングは、狙いは――思考が止まる事は無い。

 

 

 攻撃の間隔が――縮まっている。


 

 口径を狭めて、出力を抑え始めた。

 そのせいで、攻撃にディレイが発生せず。連続しての攻撃を可能とさせた。

 細い線のような攻撃であろうとも、当たれば俺の機体をバターのように崩せる。

 敵が放つレーザー兵器はそれでも強力なのだ。

 連射性能を高めたそれはあまりにも執拗に俺を追う。

 当たればただでは済まない事は理解している。

 掠めただけでもそれなりの傷となる。が、全てを完璧に避ける事は出来ない。


 上空を飛び回りながら、奴はあらゆる角度から攻撃を仕掛けて来た。

 俺はその一つ一つを視界に入れながら、長年の経験と勘で避けていく。

 スレスレを飛ぶそれが装甲を撫でただけでシステムは警告を発する。

 焦りからか、攻撃が肩部に触れてランチャーが溶けた。

 邪魔なだけのそれをパージして機体を軽くする。

 ガラガラと背後に転がっていったそれ。

 俺は機体を動かしながら、工業地域内を疾走する。


 奴は俺を追いかけて来る。

 それはつまり、俺を殺す事をプログラムされているという事で。

 此方としては好都合であり、例のメリウスも距離を置いて俺を追って来ていた。

 瓦礫を避けながら、前を塞ぐ瓦礫を避けるようにカーブする。

 ギャリギャリと脚部の底から火花が散って。

 そのまま勢いを落とす事無く、ブーストして曲がった。

 その直後に敵が攻撃を仕掛けてきて、俺は機体を操作しながらその攻撃を回避しようとした。

 

 機体を屈めて避ける――頭部スレスレをレーザーが通過。

 

 速度を一気に落とし狙いを逸らす――目の前の空間にレーザーが飛ぶ。

 

 直後に急加速を行い奴の攻撃から逃れる――まだだ。


 必死に目を動かしながら、周りの状況を認識する。

 一つでもミスがあれば、それで俺の命は終わる。

 それを回避する為に、俺は全神経を集中させた。

 

 両肩のランチャーは全てパージした。

 腕部の出力は落ちているものの、まだ武器は使える。

 機体は確実に軽くなっており、動きも滑らかだ。

 しかし、それだけでもまだ足りない。

 

 傷一つ一つに意識を向ける事は出来ない。

 そんなものに構っている暇は無い。

 俺は死に物狂いで機体を動かし続ける。

 

 左、右――まだかッ!


 奇怪な音を立てながら、奴は宙を自在に舞う。

 此方の死角を取ろうと常に動き回っていて。

 まるで蜘蛛のような足を開いたかと思えば攻撃を仕掛けてこない。

 奴の脚部はサブスラスターらしきものが多く取り付けられている。

 アレを狙って攻撃すれば奴の機動力を削ぐことも出来るかもしれない。

 しかし、これだけの短いスパンで攻撃をされれれば狙いが付けられない。

 遥か上空から撃ってきており、補助機能が万全ではない第四世代型では――目を隠し、糸を極小の穴に通すようなものだ。

 

 

 奴は俺を誘っている。自らが意図的に隙を生み出す事によって――俺を狩るつもりでいる。


 ふざけている。機械風情が――舐め過ぎだッ!!


 

 俺はレバーを動かし機体を旋回させる。

 建物の間を縫うように移動しながら、浮遊する奴を睨みつけた。

 そうして、建物が無く障害物が一切ない空間へと出てしまう。

 奴はそれを見抜いていたように両肩にエネルギーを集中させていた。

 

 ――瞬間、俺は地面に溜まった砂を大きく巻き上げながらその場で回転した。

 

 派手な動きであり、周りの砂が俺を覆い隠していく。

 巨大な機体の動きとスラスターの噴射によって砂や埃が舞う。

 視界を覆うような自然のカーテンで――奴は機体を動かして一瞬で俺の背後を取る。

 

 視界では確認できずとも、レーダーで見えていた。

 そうして、奴が肩からエネルギー弾を放つ瞬間を――此処だッ!!


 一気にペダルを踏む。

 その瞬間に、俺の体はシートに押し付けられた。

 強く歯を食いしばりながら一瞬の衝撃に耐える。

 そうして、放れそうになるレバーを強く握りしめた。


 砂のカーテンを一気に抜ければ、背後で攻撃が地面に当たる音が微かに聞こえた。

 それを見る事無く、俺は眼前に迫る障害物を睨む。


「上がれッ!!」


 レバーを一気に引く。

 そうして、機体を上へと上昇させた。

 ガタガタと機体が激しく揺れながらも、機体は建物に接触する手前で持ち上がる。

 大空へと羽ばたきながら、背部センサーで奴の機体を捉える。

 奴は脚部を回転させながら、此方にセンサーを向けて――加速した。

 

 くるりと回り向きを変えてメインセンサーで奴を見れば、奴は此方に向かって突進してきた。

 ライフルの弾を浴びせるもの勢いが衰える事は無い。

 多少の被弾は織り込み済みであり、一気に勝負を決めようとしている。


「その気ならッ!!」

 

 俺は逆噴射の要領で脚部と腰部のサブスラスターを前方に向けながら勢いよく後退していく。

 その間にも弾を放ち続ける。被弾した部分には亀裂が入り、軽くスパークを起こしている――が、止まらない。

 

 奴は脚部を展開して攻撃を放つ穴からエネルギーを噴射している。

 攻撃だけでなく高速移動時にはあぁやって使うのか。

 凄まじい速度であり、直線距離では追いつかれる。

 俺は機体を操作してそれから逃げながら、空のマガジンを排出する。

 そうして、腰部から伸びた新しいマガジンに勢いよく差し込む。

 

 

 生死を懸けたドッグファイト――上等だ。

 

 

「来い。此処まで――やれるものならッ!」


 

 向きを前に戻す。

 そうしてメインスラスターを一気に噴かせた。

 爆発的な推進力を手にして、俺は奴から逃れるように動く。

 全身が悲鳴を上げていて、鼻から何かが垂れた気がした。

 口に垂れたそれを舐めれば鉄錆の味がして俺は笑う。


 この感じだ。俺は今、戦っている。

 敵と生死を懸けて戦っているんだ。

 この瞬間だけは誰にも邪魔されない。

 命のやり取りをする時だけは――俺は”自由”だ。


 大空を駆けながら、俺はレバーとペダルを操る。

 機体を縦横無尽に動かしながら、敵のロックオンをかき乱す。

 

 何物にも縛られず。

 自由な俺は笑みを深めた。

 そうして、更にペダルを踏みこんだ。

 視界一面に広がる青。風が機体を揺らし、音を奏でている。

 邪魔する者が無い大空を俺は翔けた。

 

 爆発音が響き、甲高い噴射音が聞こえては遠ざかって行く。

 体に掛かる強い負荷。吐き気を覚えるそれを受け入れて。

 限界まで機動力を高めながら――左に動く。


 機体を回転させながら避ける。

 背後から奴はエネルギー弾を放ってくる。

 俺はそれを回転により機体を動かして避けていく。

 全身を襲う圧迫感も、遠のきそうな意識も無視して。

 今という時間を俺は全力で生きる。


 限界まで加速する。

 まだだ、まだ、もっと、もっと――もっとだ。


 周りの景色が勢いよく流れていく。

 意識は徐々に黒く染め上げられていく中で。

 奴が更に加速して、俺に迫ろうとしているのが見えた。

 これだけの命削りの加速でも奴の方が速い。

 それを認識しながら、俺は薄く笑う。

 機体を旋回させながら、目標となる”塔”を視界の端に捉える。

 

 俺は静かに呼吸を止めながら。

 ボタンを押してレバーを一気に引き――停止。


 メインを停止し、サブを逆噴射させる。

 エネルギー残量が一気に減るも関係ない。

 俺は無理やりに機体を停止させながら、体にきつく巻き付くベルトで痛みを感じた。

 

「――がぁ!!」


 機体を一気に停止させたことによって体が弾かれそうになる。

 ベルトできつく固定されながら、俺は機体を下に動かした。

 その瞬間に背後から迫った奴は俺を追い抜くように上空を通過していった。

 

 やっぱりだ。想っていた通りだ。

 奴は直線移動に全力を注げばかなり速い。

 気を抜けば何れは追いつかれていただろう。

 しかし、その機動力は直線だけで――奴は急停止が出来なくなる。


 俺の機体よりも遥かに大きな足が合計で八本。

 機体を停止させるには脚部の向きを変える必要がある。

 逆噴射の機構は無かった。特殊な形状であり、主に下半部にスラスターが集中している。

 だからこそ、逆噴射をする時も一々体の向きを変える必要がある。

 そうなるだろうと認識し、俺はそれを逆手に取った。

 奴は大きく俺から離れながらも、機体を停止させようと機体を動かして――任せたぞ。


 

 

《――上出来だよ》


 

 

 イザベラの声が聞こえた。

 その瞬間に、奴の胴体部を一発の銃弾が撃ち抜いた。

 一筋の光が細い線となり、奴の空いた穴から抜けていった。

 遥か彼方より放たれたその先には――塔の上に立つワインレッドの機体がいた。


 撃ち抜かれた多脚タイプは、バチバチと機体全体をスパークさせる。

 機体全体が震えていて、センサーから光を消していく。

 コアを精確に射抜かれた。もう動ける筈がない。

 そう確信し、奴が機体から力を失くしたのを確認した。


 

 そうして、ゆっくりと墜落していき――ッ!


 

 本能で体が動いていた。

 

 何故かは分からない。

 

 しかし、俺は機体を操作して敵へと突っ込んで行った。


 何をしている。

 

 奴はもう――動いているッ!


 

 脚部を展開してエネルギーを溜めている。

 青い光が迸っていて、その先にはイザベラがいた。

 機体全体が激しくスパークし、亀裂から空間を歪めるほどの熱を発している。

 自爆寸前。しかし、タダで死ぬつもりは無いようだ。

 

 まさか、狙い撃つつもりか――まずいッ!


 イザベラは気づいた。

 しかし、回避しようにも間に合わない。

 奴は最後の力を振り絞ってイザベラを殺すつもりだ。

 彼女がリロードして撃てばギリギリだがそれは賭けに近い。

 彼女は一瞬の判断で回避を試みようとしている。

 自壊も恐れない捨て身の攻撃を彼女が回避できるか。


 

 ――ダメだ。身勝手な希望に縋りついてはッ!


 

 俺はコックピッド内にあるリミッター解除ボタンを押す。

 その瞬間に、全てのスラスターから響く音が変わる。

 三秒だ。三秒でケリを――ッ!!


 視界が一気に動いた。

 機体は加速し、一瞬にして奴の前に躍り出る。

 体から何かが折れる音が響いた。

 俺はがふりと血を吐きながら、機体を操作して奴に蹴りを放つ。

 甲高い音が鳴り響いて、奴の機体が大きく傾いた。

 ぐしゃりと奴の肩部の砲塔が砕け散り、奴の頭部もはじけ飛んだ。

 そうして、奴の穴から放たれたエネルギー弾が工業地域内に降り注ぐ。

 青く太い線が全てを薙ぎ払っていく。

 無慈悲な光は全てを蹂躙し、後に残ったのは煤汚れた裂け目だけだった。


 俺はそれを横目で見ながらも、奴がまだ生きていると判断した。

 そうして、両腕の武装を奴のボロボロの体に向ける。

 至近距離。ゼロ距離で両手の武装を奴の体に押し付けて――吐き捨てる。


 

「いい加減――くたばれ」


 

 弾丸を全て放つ。

 何度も何度も炸裂音が響いて。

 その度に奴の機体から残骸が飛び散る。

 返り血のように奴の機体から出たオイルを浴びて。

 花火のように閃光が迸った。

 それを睨みつけながら、俺はカチカチとボタンを押し続けた。

 弾倉が空になるまで、こいつが死ぬまで撃ち続ける。


 

 何度も何度も、何度も何度も何度も何度も――何度もだ。


 

 そうして、奴と共に下へと落下していき――蹴りつける。

 

 ガラクタ同然のそれは抵抗する事も無く地面に衝突する。

 砂が巻き上がり、パラパラと宙を舞う。

 俺は地面に着地しながら、ゆっくりとセンサーを向ける。

 警戒心を持ちながら、奴を睨んだ。

 すると、奴は複眼センサーを弱弱しく点滅させて――沈黙した。


《許容限界を確認。放熱を開始します》

 

 システムが何かを発した。

 その瞬間に、機体の装甲が開いた音がして。

 がしゅりとその中に溜まった熱を吐き出していった。

 コックピッド内も蒸し暑く、俺は全身から汗を流す。

 排熱作業のお陰で、機体内の温度は一気に安定していった。

 熱が取れていき、ものの数秒で正常値に戻る。

 そうして、展開された装甲が戻り――小さく息を吐く。

 

「……やったか」

《まだだよ。こいつらがいる》


 イザベラが俺の近くに立つ。

 そうして、銃口を謎のメリウスへと向けていた。

 いつの間にか、謎のメリウスたちは1か所に集結していた。

 紫紺のカラーリングは共通しているが、その何方も違う機体だった。


 一方は大型のランドセルを背負っている。

 管のようなものと連結した大型のバズーカのような武装を持った重量級の機体。

 岩のようなイメージの機体であり、動きは鈍そうだが装甲が厚い。

 ピンク色の単眼センサーを光らせながら俺たちを見つめている。


 もう一方は装甲は薄いように見える。

 頭部には特徴的なブレードアンテナが立てられていて。

 手足は細長く、胴体部も無駄な装甲は一切ない。

 人間に近いシルエットであり、武装と呼べる物は腕に沿うように折りたたまれたブレードだろう。

 奴は青いライン状のセンサーを光らせながら、俺たちを見下ろしている。


 何方も分かる――強いな。


 先程の蜘蛛や傭兵とは比べ物にならない。

 凄まじい圧を感じて、手が震えるほどだ。

 今の俺とイザベラが戦っても恐らくは勝機は無いだろう。

 万全の状態であったとしても勝てるかどうかは分からない。

 それだけの力を見ただけで感じさせる敵とは――”異名付き”に他ならない。


《気を付けなナナシ。アレは――”地獄の亡者リターン・デッド”のエンブレムだ》

「……”SAW”のお抱えの? 何故、三大企業の傭兵が……」


 北部地方において勢力を伸ばす三大企業の一つSAW。

 奇抜な発想と常人では理解できない品を生み出す変わり者の集まり。

 しかし、メリウスなどの兵器を開発させれば恐ろしいほどの成果を挙げていると聞く。

 エネルギー兵器開発の第一人者も在籍していて、底が知れない企業だとは聞いていたが。

 まさか、この場にそのSAWが抱えている傭兵の内の二人が現れるとは……いや、待て。


 あの蜘蛛のようなメリウスもエネルギー兵器を使っていた。

 そして、タイミングよく表れたこいつ等はSAWの兵士だ。

 この事がただの偶然だとは思えない……賭けてみるか。


 俺は奴らへと通信を繋ごうとする。

 暫く待ち……繋がった。


「……お前たちはSAWの所属だな……俺たちを試していたのか?」

《……何故、そう思う?》


 低い男の声が聞こえた。

 何となく、あの軽装甲のメリウスが奴らの頭だと認識して。

 一か八かで通信を繋げば繋がった。

 俺は奴らが自分たちの兵器を試す為の実験台として此処に俺たちを呼び込んだと認識した。

 そして、此処に現れた奴らはその監視役だ。


 俺がその事を伝えれば、奴はくすりと笑う。


《……頭は回るようだな……が、まだ足りていない。それならば、何故、あの傭兵たちが此処にいた?》

「…………まさか、実験では無く…………俺たちの力量を計っていた?」

《……及第点……だが、合格だ》


 奴はそう言いながら、俺に何かのデータを送って来た。

 それはSAWの刻印が施されたデジタル資料で……これは?


《喜べ。君たちは我々の計画に関わる権利を得た……本当はそこの女性だけでも良かったが……嬉しい誤算だ》

「待て。計画とは何だ! 俺たちは何も聞いていないぞ!」

《当然だ。この依頼は一部の人間以外には知られていない。時が来れば、我々から君たちに接触する……それまで、精々、腕を磨く事だ”元猟犬”》

「――ッ! 何処でそれを!」


 俺は奴らに質問をする。

 しかし、奴らはそれに答える事無く去って行く。

 背を向けて離れていくそいつらを見つめながら。

 俺はギュッと拳を握った。


 理解できない。何も……だが、今はいい。


 生き残れたことに感謝しよう。

 そして、仲間の元に帰るんだ。

 体を休めて、話はそれからだ。

 イザベラの機体に視線を向ければ、彼女は奴らを見つめていた。


《……厄介事だね……まぁ儲かるなら、私はいいけどさ》

「……そうか」


 金が好きなイザベラ。

 そんな彼女に笑いながら俺は息を吐く。

 今日は疲れた。体中も痛み――っ。


 緊張が解けた瞬間に、ずきりとあばらが痛む。

 どうやら、折れているらしい。

 病院に行ってもいいが、”放置していれば”治るか……?


 気づけば、大抵の怪我も病気も治っていた。

 だからこそ、大丈夫だとは思う。

 なるべく、ヴァンたちに悟られないようにしなければらない。

 俺はそんな事を考えながら――来たな。


 向こうから、バラバラと音を立てて輸送機が飛んでくる。

 それはヴァンたちが乗る輸送機で通信も繋がった。

 アイツは焦りを多分に含んだ声で「何があった!?」と何度も聞いて来た。

 その反応だけで、アイツも巧みに騙されたいたのだと分かった。

 俺は乾いた笑みを零して”安堵”する。


「……帰る、か……ふふ」


 俺は小さく笑う。

 そうして、痛みを感じながらも心は幸せに満ちていた。

 俺に新たな仲間が出来て、帰る場所も出来た。

 これが自由なのかと思いながら、俺は機体の足を動かしてゆっくり歩き始めた。


 初めでの依頼。初めての成功――上々だ。

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