第2話 my new 能力

「他のルートを回れないのか?俺は魔法をまだを使えないんだぞ!」

「ない!他のルートにすると、ここよりゾンビが多くななってしまう」


まじか。しょうがない、さっき聞いた魔法の使い方を試しながらやるか。


「あっつ!やばいクソ熱い」

「もう少し離れたところにイメージしないからだよ」


雫の言う通りだが、魔法って出した本人は大丈夫的なことないの?普通に火傷したんだが?


「ファイヤーボール!」

「言わなくてもイメージするだけでいいんじゃないの?」

「言った方が強くなってる気がするからいいの」


雫が顔を赤らめながら言っていきた。恥ずかしいんだな言うの。


「早く援護をくれ、ゾンビ10体を同時に相手にするのはさすがに厳しい。後、魔法が使えないのだったら普通に来てくれないか?」


ごもっともな意見だが俺は今、魔法を使ってみたいのだ。


「よし、できた。ファイヤーボール!」


やっとできた。というか魔法のイメージが本当に難しい。

俺の魔法で怯んだゾンビ達を星奏が斬った。

なんでそんなためらいもなく斬れるのだろう。


「ファイヤーボール!」


雫は沢山の火の玉を出しゾンビ全員に当てる。


「竜、そっち頼んだ」

「え?俺がやんの?」

「そっちは高野君の方が近いし」


首を切るのは流石になぁ。


「高野君、横!」

「え?」

「シャァァァ!」


横から突然ゾンビがやって来る。


「いやぁぁぁ!」


俺は突然の事で驚き咄嗟に剣を振る。

するとゾンビは倒れ首がコロコロと転がる。


「おぇ」

「私も最初はそんなのだったよ。どんまい」

「早く助けてくれ」


これからこれを何回も見る羽目になると考えると自然とため息が出た。



数十分戦い続けようやくゾンビ達を全員倒す。

俺は1回ゾンビの首を落とした後は心を殺すことでゾンビの首を切る事ができた。


「一通り片付いたな。というか魔法難しすぎじゃない?」

「まぁこれから慣れるさ。ていうか魔法を使わずに普通に助けに来てくれれば良かったのに」

「魔法を使ってみたかった、ただそれだけさ」


星奏がクズを見るような目で俺を見てくる。


「そういえば、なんでゾンビを荷車に乗せてんの?」

「運びやすくしてんだよ。これらはギルドで売るからな。冒険者はこうやって生計を立ててるんだ」


そんなのもあるのか。

多分俺みたいな奴らが多いのだろう。

でも、死体を売るとか流石にありえないわ。


「クエストがある的なこと言ってなかったか?」

「冒険者ランクってのがあるんだが私達のよりもう1個上のランクじゃないとクエストを受けれないんだ」


そういうもんか。


「なんだ?あいつ!」


星奏の向いていた方を見ると、これまでのゾンビとは雰囲気が違う。

禍々しく見るだけ強いと分かる、そんなゾンビがいた。


「もしかしてあれが?能力持ちゾンビか?」

「初めて見たから能力持ちかそれとも上級ゾンビかはよく分からないけど」


上級ゾンビとかいうやつまで居んのか。

絶対強いな相手にしたくない。

ゾンビは近くのビルに入ったがすぐにビルから出てきた。


「分身している!間違いない、あいつは能力持ちゾンビだ」


おいおい死ぬわ、俺ら。



「クソ!なんだこいつすかって剣が通ったぞ。まるでお化けみたいだ」


そこに見えているのに実態がないってどうゆう事だ?


「本体さえ分かれば」


星奏が周りを見渡しているが目の前にいるやつらしか、周りにゾンビはいない。

俺も見渡しているがいない。

俺が目の前のゾンビを試しに切ってみるかと思っていると星奏の後ろの方で足音がした気がした。


「星奏、そこから離れろ!」


悪い予感がした俺は星奏に呼びかける。


「痛っ。これが能力持ちゾンビこれ程とは」


星奏の後ろから突如としてゾンビが現れ星奏の肩に向かって腕を振り下ろす。

星奏はいきなりソンビからの攻撃により肩に切り傷を負った。

ゾンビの爪長いな。


「というかゾンビの攻撃を受けたって事は星奏はもう…」


星奏…こんなどこの誰かも分からない俺を助けてくれて、そして色んな事を教えてくれてありがとう。

後のことは任せて――


「何を言ってるの?ゾンビに殺されない限りゾンビにはならないよ?」


まじかよ。普通ゾンビって言ったらちょっとでも攻撃をくらえばゾンビになるとかじゃないのかよ。

というかそんな事を考えている場合じゃない、早くこの能力持ちゾンビを倒す方法を考えないと。

さっき、分身体を攻撃した時に何にもなかった様にただ剣が通っただけだそれに、何も無い星奏の後ろで足音がしたということはこいつは。


「目の前に見えてる奴らは分身体なんかじゃない。多分こいつの幻影だ。こいつの本体は透明化している。足音がする場所に色付きの水魔法を放ってくれ、それでゾンビに色が付くと思うからそれをみんなで袋叩きにすればいけるはずだ」

「なるほど」

「分かった。高野君の言うことを信じるよ」

「確信はないからそういう事言わると自信なくす」

「まぁ1番倒せそうな方法だし様子見ってことで」


心音が聞こえるぐらい静かになってしばらくすると。

俺のすぐ隣から足音がする。


「ここだー。くらえ色付き水」


これはかかったな。

色が付いたらほとんど負けることはないはず。

そんな少し舐めきった気持ちで水をかけたが、水がかかったっと思っていたが出した水が急に消えた。


「どこにいった?」


おかしいこいつは透明化し幻影を見せる能力じゃ。

いや待て透明化するだけなら裸でないといけない筈だ。

だって服きて透明化できるってリアルじゃありえないだろ。

だがあのゾンビは服きていた。

つまり周りを透明化させているという事か?じゃあなんで幻影が?


「能力持ちゾンビって何個も能力を持っていることってあるのか?」

「いるっちゃいるけどまだ一体しか確認されてないな」


いないって訳では無いのかよ。でも、もしこいつの能力が1つだけなら。


「こいつは光を操る能力だ。それで透明化していたんだ。だから足音がする場所に攻撃すればいい。足音がしたらそこに向かって剣を刺して足止めをしてくれ」

「分かった。間違って刺してしまわぬように全員距離を取るぞ」


それぞれがだいたい10mぐらい離れる。

そしてまたしばらくの沈黙が続き。


「おりゃあああこのチート野郎がぁぁぁ一!…ふぅゾンビを押したおせた、みんな来てくれ」

「すぐ行く」

「ちょっと待てて」


みんなでソンビを抑え数分間首を探した。

ゾンビはこんな時でも透明化しているので首を探すのはかなり苦労した。


「あったここだ」


首を切られたゾンビは姿を表して倒れている。

多分倒せたのだろう。みんなで顔を見合わせ、


「「「やったー!」」」


みんなで精一杯喜んだ。勝てないと思っていたが何とかなるもんだな。

全く、自分の実力が恐ろしいぜ。


「確か能力持ちゾンビを倒せば、そのゾンビが持ってた能力のゾンビ能力因子が出るんだろ?おっあったあった。弱点を見破った俺がMVPだよな?じゃあ頂きマース」

「あっ、言い忘れた事が―」


せっかく手に入れた物だ。

レアな物だって言っていたし、能力者ってだけでかっこいい感じになれて、その能力を使って無双しているだけでキャーキャー言われる。

色んな事ができた方がいいし、光を操つる能力も一応取っていた方がいいか。


「うーんまずい。さすがに腐った肉はきついな。ところでどうしたんだ?」

「食べちゃったよ。ねぇ星奏、私達悪くないよね?高野君が勝手に食べただけだから私達悪くないよね?」


この感じもしかして。絶対ヤバいやつだよね?


「あのな、ゾンビ能力因子ってのはな1つまでしか食べてはいけないんだ。2つも食べてしまったらゾンビになってしまうからな。まぁ何も私達が言ってないのに食べたお前が悪いがな」

「まじかよ、でもまぁ俺が適当に光を操るって言っただけだし、もしかしたらものすごい能力かもしれないだろ?」


そう淡い期待に賭けるしかなかった。

あぁ神よ私わたくしめにとんでもないスーパーパワーをお与えください。


「そういえば、ゾンビ能力因子を食べたら頭に文字が浮かんで来て、それが能力名だって聞いたことあるよ?」


おいおいまじかよ、ちょっと待ってくれ心の準備が。

早く神に祈りを捧げないとって本当に頭に文字が浮かんできた。


「…光を操る程度って出てきた」

「「どんまい」」


2人は鼻で笑っていたが、俺は半分泣いていた。

俺のこれからの能力がただの光を操るだけ?

特段強くもないし弱くもない。

聖なる光でもないただの光を操るだけ。

俺はこれからはもう少し慎重に生きようと強く心に決めた。

はぁこれからの俺の人生どうなるんだろう?

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