第14章 ピナート島攻略

 ロザリアを出港してから10日後、5月の中旬にゲンブルグたちはピナート島の北端に上陸した。兵士から工兵、兵站、兵糧、軍馬、船大工など第五師団だけで7万弱の人員が上陸した。ロザリア軍1万5千も同地に上陸した。近くをながれるピナート川を見つけ上下水道と兵舎を作成した。そしてピナート川下流の首都ピニッツを包囲しピナート王レグニ1世を降伏に追い込んだ。

 軍は南下を続け次々と街を攻略していった。ただ、南部に行くにしたがって軍に抵抗するものが増えていった。南部のレダン部族は神出鬼没で彼らのゲリラ戦にはゲンブルグもだいぶ苦労した。重装弓騎兵と軽装弓騎兵にレダン部族は任せ、第5軍本体は南部最大の街コルテアを包囲する。ゲンブルグは市街戦による損耗を嫌い、包囲兵糧攻めを行った。20日後コルテアは降伏し、レダン部族の族長は自害した。

 ゲンブルグはこの巨大な島を本拠地にしようと考え、コルテアを首都とするピナート州を設立した。ロザリア西部3王国に土地を割譲しても有り余る広さだった。まずコルテアの近くに巨大な港を開港し、小コルテアと呼ばれる街をつくったそしてコルテアと小コルテアに石造りの立派な水道橋と下水道を作った。そして、公園を整備し石造りの立派な指令所を造った。そして独身の者には現地の女性との結婚を勧めた。これはアレクサンダー大王の政策をまねしただけであるが、ピナートが歴史上大きな役割をはたすことになる道を作ったと言ってもいい。

 この頃になると、ゲンブルグはロザリア語とウェスハリア語の読み書きができるようになっていた。まだクィーとジェーの助けはいるが書類仕事で困ることはもうなかった。また、コルテアにつながる街道を整備し、ピニッツから船でコルテアまで運ぶ輸送海路も整備した。

 また、この地では四毛作が広まっておりウェスハリアよりも農業面ではすすんでいた。ゲンブルグも農業のことは詳しくないが、四毛作が最新の農業であることは知っていた。よってコルテアに農業技術院を設立し農業のスペシャリストを募集した。彼らを教育し、ロザリアに送った。ロザリア西部三王国以外には四毛作は広まっていった。

 ゲンブルグはまた公共のサウナを各街に作っていった。このピナート島には温泉がないので、ゲンブルグは衛生面を考え導入にふみきった。また、コルテアには総合病院を作った。また、大學も作った。ゲンブルグは近代の科学をこの地に根付かせようとした。また魔法の学校も作った。ピナート島から人材を発掘する目的で多くの事を行った。

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