第9話 『推し活』に隠れた「推されない人」という存在
『推し活』というと、推す人・推される人だけが言われるが、実は見えづらい影に「推されない人」という存在がある。
推し活と何も関係がないじゃないかと思うかもしれないが、この存在は意外と多いのだ。
推し活で「推して幸せ」な人間はいい。
推しのことを考えて、キャーキャーしていて、楽しいのだから。
推し活で「推される」人間は、迷惑な行為をされているのでなければ、単純に自分を褒めてくれる人がいるのは楽しいのではないかと思う。
その両者間の様子を、推されない人は「いいなぁ」と思って見ていたりする。
今日も推しが素敵だった、推しのファンアート描いてみた。
推しの歌みたをみんなで見ようなどなど……。
そんなものが流れる中、推されない人は置いていかれている。
「俺にもそういう推してくれる人が現れるといいな」
と思っているくらいの内はいい。
中にはそれで段々と病んでしまう『推されない人』がいる。
推されてる人はただ活動しているだけであり、推し活してる人はただ推しが好きなだけである。
別に推されない人を、凹ませようとしているわけではない。
ただ、普通に活動しているだけである。
推されてる人はお礼の意味を込めて、SNSでいろいろ書いたりすることもあるが、それを『自慢』と受け取って、荒れる人もいる。
なにせ、ソシャゲの新キャラが出たとか、新衣装が当たったでも「当たらない僕に対する当てつけ!」と勝手に思う人がいるのだ。
別にその人にメンションしたわけでもなく、その人が当たらなかったのを見て投稿したわけでもないのに、そう受け取る人がいる。
そんなに他人が自分に注目してるわけないじゃん、と思うタイプなので、わからない心理だが、そういう人もいるのだ。
特に配信の世界だと、認められたいという承認欲求の塊だったりする人もいるし、それにさらには誰かに愛されたいという欲求のある人もいるので、推されないことで病む人は多くなりやすいらしい。
「若い頃ってそうだよね」という人がいるが、若いならいいのだ。
これからであるし、そういう時期もある。
意外とこれが年齢をいってるほうが拗らせる場合もある。
四十にして惑わずなどないのだ。
むしろ、年齢的に可能性が狭まっているので、ますます病む可能性すらある。
ネット小説の世界でも、同じ頃に活動を始めた人が「賞を獲りました!」「書籍化されました」流れる中、それに置いていかれた人が病んだり荒れたりもあるが、配信の世界だと、そういうデビューや入賞などに行かなくても、ただ推される人を見るだけでも病むことがある。
さて、そういう『推されなくて、病んでしまってる人』に推し活をしている人はどう対応するか。
個人的には「構わない」が正解だと思う。
中には病んでる人を構う人もいるが、推し活をしてる人が、どれだけ優しい言葉を言っても「あなたは結局、他の人を推してるんでしょ」になりかねない。
それは推してる人だけでなく、その人が推してる推し側にも攻撃がいかないとも限らない。
『推し活』の中で、推されない人を気にする必要は基本的にはないと思うが、下手な構い方はしないほうが安全かもしれないということだけは最後に書いておく。
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