今日からあたしは!
さいとう みさき
さあ、新学期よ!
じりりりりりりりっ!
目覚まし時計が鳴る。
冷たい空気が漂う部屋の中、温かい極楽の布団から手を伸ばすのだって嫌だと言うのに。
しかし、あたしは目を覚まし、ベッドから起き上がり目覚まし時計のボタンを押す。
今日は学校の第三学期が始まる日。
お正月は食べて寝てゴロゴロとゲーム三昧だった。
でも、親戚のおじさんたちが来る時だけは大人しく挨拶をするけど、全てお年玉の為。
あたしだってお年玉はちゃんと欲しいもん。
中学生にもなると結構お年玉も金額が上がり予想より多くもらえた♪
何を買おうかニヤニヤしながら先日までスマホの画面を見入っていたもんだ。
ふと壁にかかっている制服を見る。
奇麗にしわが伸ばされた制服。
机に上にある鞄には昨日の夜に準備だけはしておいた上履きや筆記用具、渡された通知表なんかもしまい込んで準備万端。
カーテンからこもれる光は部屋の寒い空気をかき分けている。
あたしはその光を見て思う。
いよいよ三学期が始まるんだと!
中学二年生もあとわずかで終わる。
そして三年生になればいよいよ高校受験だ。
新たな新年のスタートだ!
さあ、今年こそは頑張って……
「やっぱり無理ぃ~。寒いし引きこもりのあたしにはハードル高過ぎぃ~」
そう言って、また布団にもぐり込んでぬくぬくとする。
そんな様子を扉の隙間から覗いていたお母さんは深いため息を吐く。
「はぁ~、また引きこもり生活のスタートかしら……」
あたしの新たな引きこもり生活はまたスタートするのであった。
****************************
解釈:
あたし:え? 今学期こそは学校へ行こうって言われたよ?
あたし:だから最大限に頑張ったよ、あたし。えらいでしょ、えへん!
あたし:うん、前日まではそのつもりで早く寝て、たったの十二時間しか寝てないんだよ?
あたし:でもほら、頑張って朝起きても部屋の中って寒いじゃん? ずっと引きこもりのあたしにはやっぱハードル高過ぎだよね~?
あたし:え? 今年こそ頑張って学校行くからお年玉増やしてくれた? 何それ? でも必ず学校へ行くとは返事はしてないよ、あたし?
あたし:まあ、ほら、温かくなったら学校行くから。
あたし:それじゃぁ、お休みぃ~
今日からあたしは! さいとう みさき @saitoumisaki
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