新年早々、隣の席のギャルが地味な俺に「うちと付き合いなさいよ」と言って来たから罰ゲームかなと思ったら、ただのツンデレなガチ惚れマジ告だった件

空豆 空(そらまめくう)

第1話

「ねぇ、あんた。うちと付き合いなさいよ」


「は!?」 


 いよいよ2024年がスタートして、いよいよ始まった新学期。

 

 俺は登校して席に着くなり、隣の席のギャルから告白された。


 一体何が起きたんだ。


 年明け新学期早々、ギャルの言葉に驚いている俺――明念めいねん あらたは、イケメンでも、秀才でも、スポーツ万能でもない、ただの地味な高校一年生。


 対してそんな俺に『付き合いなさいよ』と言ってきたのは、俺の隣の席のギャル――釧路くしろ 寧々ねね


 あ、そうか。分かったぞ。付き合いなさいよって言われたけど、何かに付き添ってってことか。そりゃそうだよな。まさかギャルな釧路が地味な俺なんかに男女交際して欲しいなんて思うわけがない。


 そう思ったのに。


「は? って何よ。うちじゃ不満? 一応これでもモテる方だと思うんだけど。おためしでもいいよ?」


「は??」


 まさかその付き合ってが、男女交際的な意味合いに聞こえて、また俺の口からは変な声が出た。


「ちょ、なんなのよ。あんたいつから耳が聞こえにくいキャラになったのよ! ねえ! 一応こっちも恥ずかしいんだけど!! 付き合ってくれるの、くれないの、どっち!!」


 ……気のせいだろうか。やっぱり男女交際的な意味合いで告白されている気がするのだが。


 そして、なんとなく、釧路の顔が赤い気がするのだが。


「……えっと、一応確認するけど、付き合ってって、どこに?」


 けれど恥をかくのはごめんだ。当たり障りなく確認しておく。


「あー!! もう!! バカ!! あんたいつから鈍感キャラにもなったのよ!! 付き合ってって、場所とかじゃなくて!! うちと男女のお付き合いしてって言ってんの!! 男女交際!! 分かる!?」


「……なんで?」


「……なんでって、う、……好きだから。あんたのことが好きだから! 付き合って欲しいの! ねえ、もう、嫌なら嫌って断ってよ。……恥ずかしくて死にそうなんだけど」


 さっきまで威勢の良かった釧路の目が、潤みはじめた。そしてさっきよりやっぱり顔が赤い。


 嘘だろ、おい。まさか……これ、マジ告じゃないよな?

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