第13話 私としては胸とアソコも含めて結人に全部洗って貰うつもりだけど?
部屋を出た俺は夏乃さんとともに家族風呂へと向かい始める。予約などの手続きはもう既に夏乃さんが全部やってくれていたので特に俺は何もしなくても良かった。
「……本当に一緒に入る気ですか?」
「当たり前じゃん」
やはり思いとどまらせる事は無理そうだ。これ以上粘ると夏乃さんの機嫌を損ねてエロ漫画を凉乃にバラされてしまう可能性があるため諦めるしかない。
家族風呂の入り口に到着した俺達は靴と靴下を脱ぎながら中に入って忘れずに鍵を掛ける。
「ちなみに夏乃さんって水着を着たりとかは……?」
「お風呂なんだから別に水着なんていらないでしょ、そもそも今回のプチ旅行に持ってきてないし」
「……ですよね」
やはり夏乃さんは普通に全裸で入るつもりらしい。せめて水着を着てくれればだいぶ違うのだがこれ以上考えても仕方ないだろう。
俺はそんな事を思いながらとりあえず着ていた制服を脱ぎ始める。シャツとインナー、ズボンの順番に脱いだ俺だがパンツを脱ぐ事は流石に躊躇ってしまう。
だがパンツを履いたままお風呂に入る事は当然出来ないため脱ぐしかないだろう。意を決してパンツに手をかけた俺だが夏乃さんからの視線に気付く。
「あんまりジロジロ見ないでください……」
「えー、いいじゃん。別に減るものでもないんだし」
「それはそうかもしれないですけどとにかく恥ずかしいので」
俺は夏乃さんの方を極力見ないようにしながらそう口にした。今の夏乃さんの姿を直視なんてしたら下半身が元気になりかねない。
もしそんな事になったらそれをネタにされるに決まっている。これ以上夏乃さんに弱みを握られる事だけは絶対に避けなければならない。
「どうせこれから一緒にお風呂に入るんだから遅いか早いかの違いだと思うけど、そこまで言うなら一旦許してあげる」
「俺は先に入ってますから」
「うん、私もすぐ行くね」
パンツを脱ぎ終わった俺はタオルを腰に巻くと浴室へと入っていく。湯船に入る前にまずは体を洗わなければならないため洗い場のバスチェアに腰掛ける。
そして頭から順番にタオルを使って体を洗っていく。ちょうど俺が体を洗い終わったタイミングで夏乃さんがやって来る。
「た、タオルくらい巻いてくださいよ!?」
「結人と二人だから別にいいかなと思ってさ」
「全然良くないですって」
てっきりタオルを体に巻き付けているのかと思って完全に油断していた俺は思いっきり夏乃さんの全裸を見てしまった。エロ動画では何度も見た事がある女性の裸だが生で見た経験はほとんど無い。
体の色々な部分が元気になりそうな俺はとりあえず心の中で素数を数えて落ち着く事にする。2、3、5、7、11、13、17、19……あれ23って素数だっけ?
普段なら絶対こんな事にはならないため俺は自分が思っているよりも遥かに動揺しているようだ。
「せっかくだし結人には私の体でも洗って貰おうかな」
「いやいや、何がせっかくなんですか。そのくらい自分でやってくださいよ」
夏乃さんはさらっと体を洗えという凄まじい要求してきたが俺は速攻で断った。その要求を呑むのは理性的な意味で色々とまずい。
「むー、結人は私からのお願いを聞けないって言うの?」
「当然でしょ、逆に俺が夏乃さんに同じ事を頼んだらやってくれますか?」
「勿論可愛い結人の体くらいお姉ちゃんが喜んで洗ってあげるよ」
予想外の返答に俺は完全に言葉を失う。そこは普通無理って言って断ってくるところだろ。なんで夏乃さんはそんなにもノリノリなんだよ。
「じゃあこれで文句は何もないよね、早速頭からお願いするよ」
「ち、ちょっと……」
夏乃さんは俺の手首を掴んで頭まで持っていった。どうやら本気らしい。もうここまで来たら覚悟を決めるしかないようだ。
俺は夏乃さんの髪にシャンプーをつけてゆっくりと泡だて始める。金髪ロングヘアの髪型なため時間は掛かってしまったが一通り洗う事ができた。
「こんな感じで大丈夫ですか?」
「うん、ありがとう」
「シャワーで泡を洗い流すので目を閉じててください」
「はーい」
俺はシャワーからお湯を出すと夏乃さんの頭にかける。シャワーの水圧で泡はみるみるうちに流れていき綺麗になった。
「次は体を洗って貰おうか」
「……一応確認ですけど全部ですか?」
「私としては胸とアソコも含めて結人に全部洗って貰うつもりだけど?」
「それはマジで勘弁してください」
ただでさえ色っぽい色白の肌を見て変な気分にさせられているというのに直接洗うという行為を行えば俺の理性が限界を迎えかねない。
「まあ、いいよ。あんまりいじめ過ぎても可哀想だから今回はこのくらいで許してあげる」
「良かった……」
「でも次はちゃんと洗って貰うからね」
「……ひょっとしてまた俺と泊まりでどこかに行くつもりですか?」
「うん、また誘ってあげるから楽しみにしてて」
おいおい、マジかよ。何度もこんな事に付き合わされると身が持たないため何かしらの対策を考える必要がありそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます