ここは動物園!? だったら私、今日から猛獣使いになります!

桔梗 浬

第1話 大安吉日 新生活スタート

 大安吉日。


 私は新たな道に進むため、超緊張の面持ちでここに立っている。

 隣には伝説の勇者、超エリートのキャサリンが完璧な姿で私をアシストしてくれていた。


 緊張するなと言う方が無理な話だ。



「今日から、私たちのチームにジョインしてくれることになった、綾小路 華さんです」

「はじめまして、綾小路です。よろしくお願いいたします!」


 私は満面の笑みを浮かべ、この場にいる皆の顔を見渡す。

 ここにいる『チームキャサリン』のスタッフたちは、伝説の勇者キャサリン自らが集めた人たちで、世界平和のための業務を秘密義に行うエリートなのだ。


 最前線で活躍するというよりは、裏方の仕事だけど、子どもの頃から憧れていたキャサリンと一緒に仕事ができるなんて、夢のような話に今でも私は感動している。

 今日は新しい職場での初日。私は、ドキドキしながらこの瞬間を迎えた。




 時を遡ること20分。



* * *


「華ちゃん、来てくれて本当にありがとう! うちのチームはね、本当に優秀なスタッフばかりなの」

「すごいですね! 私もそんなみなさんと仕事ができて、すごく嬉しいです」


 キャサリンは嬉しそうに頷き、満面の笑顔を私に向けた。本当にキャサリンに出会えてよかった。こんなに素敵な上司がいる職場なんて滅多にない。私も心からこの日を待ち望んでいた。


 会議室に向かう途中、笑顔のキャサリンは私に謎のファイルを手渡しこう続けた。


「優秀すぎて困ってたの。ここにそれぞれの経歴や担当、得意分野をまとめておいたから、それを見ておくといいわ。本当に来てくれてありがとう!」


 私は素直にそれを受け取り頷く。これからチームの人達と初めての顔合わせで緊張していた私は、キャサリンの言葉を彼女特有のリップサービスだと思っていた。


「私に務まるでしょうか…」

「勇者養成学校を首席で卒業したあなただもの! 大丈夫。期待してるわ」


 

 そう…。これは全て彼女の。

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